はじめに|なぜ「気功=詐欺」と言われるのか
気功は、いまだに「怪しい」「嘘くさい」「詐欺だ」と言われることが多い分野です。
実際に「気功を受けたけど何も変わらなかった」「高いお金を払ったのに改善しなかった」という声を聞くことも少なくありません。
そして、それらの経験をした人が「気功なんて詐欺だ」と感じてしまうのは、ある意味では仕方のないことです。
ただ、すべての気功が詐欺なのかといえば、それは明確に違います。
気功の世界には、「本当に結果を出している気功師」もいれば、「まったく気功をやっていないのに気功と称している人」や、「意図的に騙している人」も存在しています。
つまり、「気功=詐欺」と思われる背景には、技術の差・情報の不足・受け手の理解不足・業界の無法状態が複雑に絡んでいます。
この記事では、私自身が現場で実際に見聞きし、時には修正を求められた実例も交えながら、「なぜ気功が詐欺と誤解されるのか?」
その構造を5つの視点から解説していきます。
詐欺に見えてしまう5つの理由
「気功なんて詐欺だ」「全然効果がない」「高い金払ったのに変わらない」──
そう言われるケースには、ある程度の共通点があります。
私はこれまで、他で効果がなかった方、遠隔で騙された方、自称ヒーラーにお金だけ取られた方など、多くの方を実際に見てきました。
その中で、「なぜそうなってしまったのか?」という構造を整理すると、大きく5つのパターンに分かれます。
① そもそも気功ではない施術
「気功整体」や「中国気功マッサージ」と書かれた看板の店の中には、実際は気功を一切やっていない店もあります。
マッサージを気功と称しているだけ。
気を出していないのに「気功です」と言われれば、受けた人は「効果がない」と思って当然です。
こういうお店に当たってしまった人が「気功は詐欺だ」と思うのは、ある意味では正しい判断です。
気功ですらないものを「気功」として売っているのですから。
② 初めから騙すつもりの詐欺師
もっと悪質なのは、効果がないと分かっていてやっている遠隔気功の詐欺師です。
うちの治療院にも、ある特定の遠隔専門気功師にお金を払ったが「まったく変化がなかった」という人が何人も来ています。
しかも、その気功師は「夜に勝手に気を送ります」と言うだけで、連絡せずに送るそうです。
実際に何もしていないか、効果のない“やってる風”だけの人。
そういう詐欺に近い人間が業界に存在することで、気功全体の信頼が落ちてしまっているのです。
③ 勘違いした気功師
自分の気功に少しでも効果が出たことをきっかけに、「自分は特別だ」と勘違いするタイプです。
「神様に力を授かった」「自分は選ばれた」などと言い始める人もいます。
技術も検証もなく高額な料金だけ設定しているようでは、結果が出なければ詐欺に見えるのは当然です。
本人に騙すつもりがなくても、実力に見合わない値段を取ってしまえば、それは“勘違いによる詐欺”と受け取られても仕方がありません。
④ 結果が出せず騙した形になってしまう人
これは真面目に気功をやっていて、実際に信頼されている人にも起こりうることです。
たまたま難しい症例に当たって結果が出ないと、「この人も詐欺だ」と言われてしまうことがあります。
本人に悪気はなくても、「お金を払ったのに変わらない」→「騙された」という流れは、受け手にとっては非常にリアルな感覚です。
私自身も過去には、すべての人を改善できたわけではありません。
だからこそ、「誠実に向き合う」「常に向上する」を心がけています。
⑤ 説明不足や検査不足で伝わらないケース
気功の効果が出ていたとしても、それを本人が自覚できなければ「効果がなかった」と言われます。
これは非常にもったいないことです。
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ビフォーアフターを取っていない
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どこが辛いのか問診で明確にしていない
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術後の変化を一緒に確認していない
こういった基本的な対応が不足していると、結果は出ているのに“伝わらない”という状況になり、結果的に「気功は効果がない」と誤解されてしまうのです。
このように、「気功が詐欺に見えてしまう背景」には、技術の問題だけでなく、誤解や勘違い、説明不足も大きく関わっています。
実力があっても伝わらない「惜しい気功師」の特徴
ここまで読んで、「じゃあ実力さえあればいいんだな」と思われるかもしれません。
でも実は、腕はあるのに“惜しい”と言わざるを得ない気功師も存在します。
それは、効果が出ているのに、受け手に伝わっていない・理解されていないタイプです。
● 結果を出しているのに伝え方が下手
例えば、ビフォーアフターをしっかり見せていなかったり、説明を曖昧にしていると、「変わった気がするけど、気のせいかな?」と思われてしまうことがあります。
これは施術が悪いのではなく、コミュニケーションの問題です。
とても惜しい話ですが、受け手の“納得”がなければ、独りよがりで信頼にも繋がりません。
● 相手の症状や状況を深く聞かない
「とりあえず気を送れば良くなる」という感覚で、細かい不調を教えてもらう事を省く人もいます。
でも実際は、相手が何に困っていて、どこがどんな風に痛いのかを把握していなければ、たとえ改善しても「なんとなく良くなった?」程度にしか受け取ってもらえないのです。
● 気功にありがちな“説明不足”が命取りになる
気功は目に見えません。だからこそ、伝え方に工夫が必要です。
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気功でどういう作用が期待できるか
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どの症状が先に変わりやすいか
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どんな反応が出る可能性があるか
こうした説明を一切せずに「はい、やりました」では、どれだけ良い技術でも“信じてもらえない”のです。
● 本物でも“伝える力”がなければ信頼されない
つまり、「本物=伝わる」ではないということです。
どれだけ凄い結果を出せても、伝える工夫や配慮がなければ、“怪しい”“わからない”と思われてしまう。
それが、実力はあるのに「惜しい」と言わざるを得ない気功師の特徴です。
実際にいた「難しいクライアント」とその対応
ここまでは、気功師側の問題についてお話してきました。
ただし、現実には施術者がどれだけ誠実に対応しても、どうしても伝わらない・通じない方というのも存在します。
これは「受けてが悪い」という話ではなく、どうしても“すれ違いが起きる状況”があるということです。
● そもそも“理解する気”がない
中には、気功を受けたこともないのに「気功は嘘だ」と決めつけてくる方もいます。
実際に来院された方ではありませんが、ネットでそういう主張をする方、または付き添いで来た家族がそのタイプというケースもありました。
こうした“受け取る気のない人”に対しては、どれだけ誠実に施術しても届きません。
むしろ、無理に関わろうとすることでこちらが消耗するだけです。
そもそも“理解する気”がない・説明を聞かず、理解しようとしない人には届かない
そもそも気功を受けたことがないのに「気功なんて嘘だ」と最初から決めつけてくる人もいます。
実際に施術を受けるご本人ではなく、付き添いで来たご家族がそのタイプだったこともありました。
こうした“話を聞く気がない”“理解するつもりがない”人に対しては、どれだけ誠実に施術しても、効果は届きません。
むしろ無理に関わろうとすると、こちらが疲弊してしまうだけです。
プロとしては、冷静に距離を取る判断も必要です。
● 理想やイメージが強すぎて現実を受け入れられない
「一回で完璧に治らないとダメ」「すべての症状が一度に消えないと意味がない」
こういった理想を強く持ちすぎている方は、現実的な変化が起きていても受け入れられません。
もちろん、私は初回から変化を出すことにこだわっています。
でも中には何年もお悩みの症状や複数の悩みを、1回で全部完璧に治したいという“幻想”を持った方もいて、どうしても評価されないことがあります。
● それでもプロとしてできること
それでも私は、どんな相手にも正直に向き合うことを基本としています。
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状況を丁寧に確認し、分かりやすく説明する
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結果を見せるためにビフォーアフターを明確にする
そして、それでも通じない場合は無理に引き留めたり、継続をすすめることはしません。
「これは縁がなかった」と判断するのも、ある意味でプロの対応です。
では、本物の気功師をどう見極めれば良いのか?
以下のような気功師・施術者は、少なくとも「本気で結果を出そうとしている人」である可能性が高いです。
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筋力検査や説明が丁寧で、症状を一緒に確認してくれる
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ビフォーアフターを明確に示し、効果を可視化してくれる
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必要以上に通わせようとせず、改善すれば卒業させる
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「気功は技術だ」という立場で、論理的な説明ができる
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できる・できないをはっきり伝え、無理なことは無理と言う
そして何より、「嘘をつかない」「ごまかさない」その姿勢が、気功の“気”に現れ、結果に現れると私は思っていますさ
気功が詐欺のように見られるのは、業界の課題であり、施術者一人ひとりの在り方の問題です。
この記事が、「気功って怪しい」と思っていた方の判断材料になり、本当に必要としている方に、本物の気功が届くきっかけになれば幸いです。
またよろしくお願いします。