クンダリーニ症候群とは?症状と原因をわかりやすく解説

「クンダリーニが暴走しているのでは?」

「ヨガや気功で精神的におかしくなった気がする…」

そういった不安を感じていませんか?

クンダリーニ症候群とは、気功やヨガを誤った方法で行うことで生じる、心と体の不調の総称です。

その症状は、自律神経の乱れと非常に似ており、誤解されやすいものでもあります。

この記事では、以下のポイントを整理してお伝えします:

  • クンダリーニ症候群の主な症状とは?

  • どうして起きるのか?(原因)

  • 防ぐにはどうすればいい?(予防)

  • なってしまった場合、どうすれば良いのか?(対処)

まずは、なぜこの記事を書いたのか——その背景からお伝えします。

なぜこの記事を書いたのか?誤診と不安を防ぐために

この記事を書こうと思ったきっかけは、「クンダリーニ症候群」という言葉が一人歩きし、誤解を生む場面が非常に多いと感じたからです。

実際、世の中にはさまざまな気功師やヒーラーがいます。

その中には、電話相談や初回の問診の段階で、「あなたの不調はクンダリーニ症候群です」と断定し、「特別な施術が必要です」と高額な費用を請求する人もいます。

体調が優れず不安を抱える中で、よく分からない病名を伝えられると、クライアントは混乱しやすくなります。そして、真偽の分からない言葉に振り回され、結果的に誤った選択をしてしまうケースが後を絶ちません。

実際には、クンダリーニ症候群ではなく、単なる自律神経の乱れや体調不良であることも多くあります。

しかし、それらまで「クンダリーニが暴走している」と誤認し、不安を煽るような説明をされることで、かえって回復が遠のくこともあるのです。

このような状況に対して、正しい情報をお伝えしたいと思い、この記事を書くことにしました。

クンダリーニ症候群の症状一覧|身体・精神に出る不調とは

クンダリーニ症候群の症状はどのようなものがあるかといいますと、チャクラとかいろいろあるのですが、ここでは一般的に体に現れる不調を説明します。

  • 自律神経系の不調
  • 体温調節ができない
  • 背中に感じる違和感
  • ムズムズ感
  • 呼吸が苦しい
  • 呼吸が浅くなる
  • 体がだるくなる
  • やる気が出ない
  • 集中力が下がる
  • 統合失調症のような症状
  • 幻覚・幻聴
  • 離人症(前の自分とは違う感じ・自分が自分ではない感じ)
  • 不安感が強くなる

など精神的にも肉体的にも症状は現れます。

クンダリーニ症候群の症状はヨガや気功をしている人だけがなる症状ではなく、自律神経が乱れると起きり症状とかなり似ているというか、ほとんど同じです。

クンダリーニ症候群の原因|間違った呼吸と力みの危険性

どうしたらクンダリーニ症候群になるかというと、ヨガや気功をしている人で間違えた練習をするとクンダリーニ症候群になります。

1. 間違った呼吸法が招くリスク

ヨガや気功では、呼吸法がとても重要とされています。

基本的には「鼻から吸って、口から吐く」など、リラックスとエネルギー循環を促す呼吸が推奨されています。

しかし、誤った呼吸法を行うと、体や神経に過剰な負荷がかかり、クンダリーニ症候群のような不調を引き起こすことがあります。

たとえば、以下のような呼吸は危険です:

  • 息を無理に止める(長時間の息止め)

  • 限界まで息を吐ききる

  • 限界まで吸い込む

これらは一見ストイックな修行に見えますが、実際には肉体や自律神経に過剰なプレッシャーをかける行為です。

結果として、めまい、頭痛、息苦しさ、倦怠感などのクンダリーニ症候群に似た症状が出ることがあります。

本来、呼吸は「深く、自然に、無理なく」が基本です。

負荷をかける呼吸は、意識の覚醒どころか体調悪化を招くリスクがあることを、しっかり理解しておくべきです。

2 無駄に力を入れる・力み・力む

クンダリーニ症候群の原因は、呼吸法だけではありません。

特別な感覚を得ようと意識や身体に過度に集中し、「力む」ことも大きな要因です。

この力みは、気功やヨガに限らず、武道やスポーツ全般に共通する問題です。

一流の選手や感覚に優れた人は、リラックスして身体を使うことが大切だと知っています。

一方で、運動が苦手な人や脱力を理解していない人ほど、「力んで頑張ること」が正しいと誤解しやすいのです。

力みを続けると、身体に余計な負荷やストレスがかかり、やがて不調を引き起こします。

たとえば、気功の代表的な修練法「小周天」では、丹田の気を頭まで上げようとする際、気を「感じよう」「動かそう」とする意識が強すぎて、力んでしまうことがあります。

この力みによって、体内の圧力が上がり、次のような症状が出てきます。

  • めまい

  • 頭痛

  • 呼吸困難・浅くなる

  • 倦怠感・だるさ

  • 稽古中のふらつき

最初は「修行による一時的な反応」だと思い込み、続けてしまいがちです。

しかし、無理を重ねると、稽古をしていないときにも不調が現れ、次第に慢性化していきます。

このようにして、いわゆる「クンダリーニ症候群」と呼ばれる状態に陥ることがあるのです。

力むという行為は、「外に広がるべきエネルギー」を内側に閉じ込めてしまうため、エネルギーの流れを止めてしまいます。

つまり、力みとは、気功の本質である“広がり”の逆を行く行為なのです。

逆に言えば、「力まないこと」=脱力こそが、気功上達の鍵だと言えるでしょう。

クンダリーニ症候群を防ぐには?最大の予防法は「脱力」

クンダリーニ症候群を防ぐ上で、最も大切なのは「力まないこと」です。

私自身、合気道の修行を通して実感したことですが、合気の技は、力を抜き、完全に脱力した状態でなければ決して成功しません。

力んでいると、どれだけ形をなぞっても技はかかりません。

これは気功でも同じです。
身体が力んでいると、エネルギーの通り道が塞がれ、気がうまく巡らなくなります。

例えるなら、換気されていない部屋のように、エネルギーが中にこもってしまうのです。

力みを手放し、リラックスして取り組むことで、はじめて本来の“気の通る感覚”がわかってきます。

呼吸法でも同じで、たとえ多少負荷をかける場面でも、決して力まずに行うことが非常に重要です。

クンダリーニ症候群かも?と思ったときの正しい対処法

1. ほとんどの人はクンダリーニ症候群にはなりません

まず最初にお伝えしたいのは、ヨガや気功などをしていない方にとって、クンダリーニ症候群は基本的に無関係だということです。
つまり、心配する必要はありません。

実際に、クンダリーニ症候群とされる症状の多くは、自律神経の乱れによって起こる体調不良とほぼ同じです。

  • 過労

  • 人間関係や仕事のストレス

  • ストレスをためやすい性格

  • 過去の嫌な経験の積み重ね

  • 睡眠不足

  • 食生活の乱れ

こうした要因で心身が疲弊し、自律神経が乱れているだけのことがほとんどです。

つまり、「これはクンダリーニ症候群ではないか」と不安になる前に、まずは一般的な体調不良やストレスによる影響を疑うのが正解です。

2. 「クンダリーニ症候群」と診断する気功師には注意

結論から言えば、「あなたはクンダリーニ症候群です」と断言する気功師の施術は受けないほうがいいです。

というのも、本当に経験のある気功師なら、「クンダリーニ症候群」などというあいまいで医学的根拠のない言葉を使うことはありません

通常は、「自律神経の乱れ」や「ストレスによる体調不良」など、一般的に理解しやすい表現で説明するはずです。

実際に私の元にも、「クンダリーニ症候群だと言われた」と相談に来られる方がいますが、そのような話をする気功師から、一度たりともまともな説明や根拠あるアドバイスを聞いたことがありません

そのため、クンダリーニ症候群という言葉で不安をあおり、高額な施術をすすめてくるような場合は、十分に注意してください

3. クンダリーニ症候群と思ったら、代替医療を選ぶのが正解です

自律神経の不調を感じたときは、気功に限らず、カイロプラクティックやオステオパシーなどの手技療法を受けることをおすすめします。

その理由は明確です。

病院には症状を抑える薬はあっても、自律神経のバランスを整える施術法は存在しないからです。

医師に相談しても、出てくるのは以下のような対応です:

  • 血圧が高ければ降圧剤

  • かゆければ抗ヒスタミン

  • 痛みがあれば鎮痛薬

つまり、「出ている症状」を一時的に抑えることはできても、自律神経の根本的な不調を“治す”ことは病院の範囲外なのです。

これは病院を否定しているのではなく、医療と手技療法の役割が異なるという話です。

もちろん、病院でしかできない重要な施術もたくさんあります。

だからこそ、自律神経系の不調、あるいはクンダリーニ症候群のような症状には、手技で身体を整える代替医療が適しています

私自身、気功だけでなく、整体・カイロプラクティック・オステオパシーといった手技も長年実践しており、実際にこれらの技術で何百人もの自律神経の不調を改善してきた経験があります

つまり、信頼できる施術家の手によるアプローチなら、気功に限らず、身体の機能を根本から整えることができるのです。

ただし注意してほしいのは、中途半端な技術の施術家にかかると、一時的には良くなっても、完全には回復しないということです。

最初は多少楽になっても、ある段階から変化が止まり、「これ以上はもう良くならないのかもしれない」という限界を感じる——いわゆる**「頭打ち」**の状態です。

そうならないためにも、本当に腕のある施術家を選んでください

それだけで、回復のスピードも、最終的な改善の質も大きく変わってきます。

以上、クンダリーニ症候群を防ぐための正しい知識と、その対処法についてお伝えしました。

ヨガや気功の修行を真剣に行っている方ほど、こういった症状に陥る可能性があります。

しかし、正しい理解とアプローチを持っていれば、恐れる必要はまったくありません

力まず、焦らず、信頼できる技術と指導のもとで行えば、気功やヨガはむしろ、心身を根本から整える強力な手段となります。