「気を送っていて疲れませんか?」という質問について
こんにちは。今回は、相手に気を送ると疲れる理由をお話をします。
気功に興味のある方や気功を学び始めたばかりの方から、よくされる質問があります。
それが「相手に気を送っていて疲れないんですか?」というものです。
気功で施術をする際によくある悩みの一つに、「相手に気を送ると自分が疲れてしまう」というものがあります。
最初は一生懸命に気を出そうとするあまり、気が消耗してしまったり、体がだるくなったりすることも珍しくありません。
しかし、これは才能や体力の問題ではなく、正しい気の出し方を知らないだけです。
気は無理に出すものではなく、自然に流れるもの。
適切な意識と方法を身につければ、気を送りながらも自分は疲れるどころか、逆に元気になっていくこともできます。
このページでは、疲れずに気を出すための基本的な考え方と、誰でも実践できるコツについてお伝えします。
でも、疲れ方には“差”がある
ここで重要なのは、「気功だから疲れる」のではなく、**「やり方次第で疲労度が大きく変わる」**ということです。
つまり、同じように相手に気を送っていても、
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無理に力んで疲れてしまうやり方
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自然に出て疲れないやり方
この2つの方法があるのです。
そして、ほとんどの人が気づいていないのは、最初にどのやり方を覚えるかで、今後の気功人生が決まってしまうということ。
疲れる気の出し方とは?その代表例
まず、疲れてしまう気の出し方とはどういうものか。
それは一言で言うと、**「念じる気功」**です。
具体的には…
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眉間にしわを寄せて、力んだ状態で相手に集中する
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相手の患部に向けて、「治れ!」と念じながら気を出そうとする
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気を「押し込もう」とするような感覚
こうしたやり方は、見た目に派手だったり、やっている本人には“頑張っている感”があるため、気功を学び始めた人には一見良さそうに見えるかもしれません。
しかし、この方法には二つの大きな問題があります。
一つは、術者本人が疲れ果ててしまうこと。
もう一つは、相手にとっても良い気ではなく、念の圧力として重たく感じられてしまうことです。
気のはずが「念」になっている現実
実際に、他所で気功を習った人が私の教室に来て、「気を出してみてください」とお願いすると、高い確率で「念じる気功」をやり始める場面に出くわします。
手のひらをこちらに向け、じっと集中し、気合を込めるような動作──
それは気を送っているつもりかもしれませんが、実際に受ける側には、モヤモヤとした不快感が伝わってきます。
だるさや重さ、胸の奥がスッキリしないような感覚…。
これは気が流れているのではなく、念(意識の重たさ)が押しつけられている状態です。
現実問題として、「気功を受けたあとに体調が悪くなった」「逆に疲れてしまった」というケースの多くは、この間違えた気功を受けてしまった結果なのです。
気を送って疲れる原因ベスト3
気功を行うときに「疲れる」と感じる理由は、大きく分けて3つあります。
どれも無意識にやってしまいがちな落とし穴ですが、正しく理解すればすぐに修正できます。
ここでは、その代表的な3つの原因について解説します。
1. 自力で気を出そうとしている
気を出そうと意識するあまり、体の中のエネルギーを無理に引き出してしまうことがあります。
これは「自分の力で何とかしよう」としてしまう状態で、身体に余計な負担をかけ、結果として疲労に繋がります。
本来、気は「出そう」と思って出すものではなく、自然に流れていくものです。
自分が頑張るほど逆効果になり、出るものもスムーズに流れなくなってしまいます。
2. 無理に力んでいる
相手にしっかり気を届けようとするあまり、肩に力が入ったり、身体全体を緊張させてしまうケースです。
気功では、リラックスしているときこそ、最も強く気が流れるという特徴があります。
力みは気の流れを妨げ、同時に筋肉の緊張や呼吸の浅さを生み、結果として早く疲れてしまいます。
「抜く」という感覚を持つことが非常に大切です。
3. 相手に「奪われる」意識になっている
相手に気を送るとき、「自分のエネルギーを相手に取られてしまう」という感覚になっている場合、
それがそのままエネルギーの消耗感として現れます。
気は「自分から相手に渡す」ものではなく、自分を通して流れていくイメージを持つことが重要です。
「奪われる」という意識を捨て、自分自身が無限に循環する流れの中にいるとイメージできれば、疲れを感じることはほとんどなくなります。
疲れずに気を出す方法(H2セクション)
疲れずに気を出す方法
気を送るときに疲れてしまう人には、共通する誤解があります。
それは、「自分の力で、気を押し出さなければならない」という感覚です。
本来、気は押し出すものではなく、自然に流れていくものです。
ここでは、疲れずに気を出すための基本的な考え方と実践ポイントをお伝えします。
1. 自分の中から自然に出る「流れ」に乗る
まず大切なのは、自分の体内から自然に湧き上がる気の流れを感じることです。
気は、頑張って出そうとしなくても、リラックスしていれば自然と流れ始めます。
体の中心──丹田(へその下あたり)や胸の奥に意識を置き、そこから気がじわじわと広がっていくイメージを持ちましょう。
自分の内側にある流れを感じ、それにただ乗る意識が重要です。
2. 出すのではなく「流れる」のを許す意識
気は「押し出すもの」ではありません。
流れたい方向に勝手に流れていくものです。
意識するのは、「出す」ことではなく、「流れるのを許す」こと。
意識を柔らかく広げ、相手に向かって「自然に広がる感じ」をイメージするだけで十分です。
逆に「ちゃんと送ろう」と力んだ瞬間、気の流れは止まり、体も疲れてしまいます。
力まず、頑張らず、ただ流れに任せる──これが疲れない気の出し方です。
3. 呼吸・姿勢・意識のコツ
疲れずに気を出すためには、体の使い方にもポイントがあります。
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呼吸
深く、ゆったりとした呼吸を心がけましょう。呼吸が浅いと気も浅くなり、疲れやすくなります。 -
姿勢
背筋を伸ばし、肩や首の力を抜いてリラックスした姿勢を保ちます。地面にしっかり立っている感覚を持つと、気が安定します。 -
意識
「自分が頑張る」のではなく、「自然に流れていくのを見守る」意識を持つこと。 -
相手に「届かせよう」とする意識を手放すと、気の流れがよりスムーズになります。
じつは・・・
本当は「イメージ優先」ではなく「明確な身体使い」がある。
でも初心者〜気功を学びたい人には そこまで正直に深く話さないほうがよいかも。
なぜなら、身体の使い方を言語化しても、初心者には再現不可能。
「身体の使い方」の細かい感覚を知らないと、かえって力みやすくなる。
文章で書いても力んだり、無理に形を真似る方向にズレる。
最初は「イメージ」で自然な感覚を育てる方が上達が早い。
だから今回の記事では 、自然に流れる感覚を育てましょうまでにとどめておきます。
本来、気功における気の出し方には、明確な身体操作が伴います。
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体の重心移動
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軸の立て方
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皮膚感覚の開き方
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微細な筋肉の脱力操作
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骨格の流れに沿ったエネルギー伝導
これらを自然に行えて初めて、無理なく気が流れるようになります。
そしてこれは、ただイメージするだけでできるものではありません。
昔から本物の武術や芸道では、最初から深い技術をそのまま教え、弟子の側が必死でついていくことで、本当に体得することができました。
私は、この伝統的な教え方こそが本物を育てる道だと考えています。
ですから、初心者であっても、最初から正しい方向性をお伝えします。
たとえすぐにできなくても、「最初から正しい水を飲む」ことが、後々の大きな差を生みます。
疲れない気の出し方のカギは「感覚の習得」
先ほど少し難しい事をお話ししましたが、まとめると正しく、疲れずに気を送るために必要なのは2つ。
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身体で「気」をしっかりと感じられるようになること
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「気が出ている感覚」を自分の中で理解し、確信を持つこと
この2つさえ身につけば、自然に気を出せるようになります。
つまり、「気を送ろう!」と無理に意識せずとも、身体の状態が整えば、勝手に気は出ていくという状態になるのです。
最後に:あなたが今からできること
多くの人は、最初に習ったやり方を一生続けてしまいます。
だからこそ、最初にどんな気功を習うかがとても重要です。
間違えた気功を一生懸命続けるよりも、正しい気の出し方を学び直す方が、はるかに効果的で、楽です。
そして、正しい気の出し方を体得すれば、施術が終わった後に「こっちまで元気になった」「身体が軽くなった」と、自分自身も感じられるようになります。
気功は、自分を苦しめるためのものではありません。
自他ともに気持ちよくなるためのものです。
ぜひ一度、自分の気の出し方を見直してみてください。