私が気功整体施術問診を行う際に大事にしている三つの声があります、
- お客さんの声
- 施術者としての私の声
- お客さんの身体が発している声
■1つ目の声:お客さん自身の言葉
最初に大事にしているのは、お客さん自身の言葉です。
いつから、どこが、どんなふうに不快なのか――その内容を、しっかり聞き取ります。
これは施術者のためというより、お客さん自身に自分の状態を整理してもらうためです。
気功や整体は、1回で完璧に終わるケースの方が少ないです。
数回の施術を経て、少しずつ変わっていくのが普通です。
だからこそ、自分の体の変化をお客さん自身が比較できる状態にしておく必要があります。
どこが、どう変わったのか。実感できなければ、納得にもつながらないからです。
そのため私は、初回の問診で、今ある不快感やつらさを言葉にして整理してもらう時間をしっかり取ります。
「話す」ことで、「分かる」。
自分の体を他人任せにせず、自分で感じることが、改善への第一歩だと考えています。
2つめの声:施術者としての見立て
2つめは、施術者としての私自身の「声」、つまり見立てです。
施術の間隔や通う回数、どれくらいで日常生活に支障がなくなるか。
その人の状態を見て、いままでの経験と実績をもとに判断します。
私が何より大事にしているのは、一回の施術で出せる限りの結果を出すこと。
できるだけ早く元気になってもらいたい――これが施術者としての基本姿勢です。
ただ、これまでの臨床経験からわかっているのは、不調のある場所に本当の原因があることはほとんどないということです。
だから私は、9割以上のケースで、不調を感じている部位には触れません。
お客さんから「ここが痛いからここをやってほしい」と言われることもあります。
でも、そこが問題の“本丸”でないことが明らかな場合、希望通りにやることがかえって回復を遠ざけるケースもあるのです。
私は、無駄な施術で回数を引き延ばしたくありません。
だからこそ、自分の見立てに基づいて、必要なことだけを、必要なだけ行います。
それが本当の意味での「お客さんのため」だと考えています。
私は、無駄な施術で回数を引き延ばしたくありません。
だからこそ、自分の見立てに基づいて、必要なことだけを、必要なだけ行います。
このように“外さない施術”を積み重ねることで、結果が早く出る確率が非常に高くなります。
3つめの声:お客さんの身体が発している反応
3つめに大事にしているのは、お客さんの身体そのものが発している反応です。
この“身体の声”こそが、施術において最も重要な手がかりになります。
たとえば、「肩が痛いから肩のコリをほぐす」「首がつらいから首を揉む」――
そうした“症状に合わせたテクニック”をそのまま当てはめても、本質的な変化は起きません。
実際、痛い場所に原因があるというのは、思い込みであることが非常に多いです。
医療に関わる方でも見誤ることがあるくらいですから、お客さんご自身が判断できないのは当然です。
人によって生活習慣や体格、動き方のクセが違うように、
身体の不調が出る理由や反応の出方も、一人ひとりまったく違います。
だから私は、痛みのある場所に対して“そのまま施術を行う”という発想は持っていません。
私が行っている気功整体の目的は、
その人に備わっている回復力(自然治癒力)が、正常に働きやすい状態に整えることです。
触診を通して身体と丁寧に対話していくと、
固くなっている箇所、冷えている箇所、動きの悪い部分、緊張の質――
さまざまな身体の反応から、「整えるべきポイント」が見えてきます。
その反応に合わせて、的確に整えていくことで、
自然と身体が元の元気な状態に戻っていく方向へ動き始める。
それが私の考える“身体の声を聞いた施術”です。
「この部分をこうすれば良くなる」といった決まりきったやり方は使いません。
お客さんの身体が出している反応こそが、その人にとっての最適な答えだからです。
■まとめ
大切なのは、次の3つです。
-
お客さんご自身に、自分の不調をきちんと把握してもらうこと
(経過を観察し、ビフォーアフターの違いに気づけるように) -
身体から発せられている情報を、触診によって丁寧に読み取ること
-
身体の状態やゆがみに合わせて、回復力が発揮されやすいよう整えていくこと
この3つを軸にしているからこそ、無駄なく、遠回りせず、しっかり変化が出る施術ができると考えています。