気功を学んでいて、「なかなか上達しない」「これで合っているのか分からない」と悩む方は多いと思います。

気功はスピリチュアルのように語られることが多いですが、私からすれば完全に技術であり再現性があるものです。

ただし、上手くなる人とそうでない人の差は確かにあります。

今回は、私がこれまで気功に関わり続けてきた中で、「なぜ自分は上達できたのか?」「上手い人に共通するものは何か?」を振り返ってみました。

これから気功を学ぶ方、気功の効果をもっと高めたい方の参考になれば幸いです。

気功は才能よりも「積み重ね方」で差が出る

気功は、よく「才能がある人しかできない」と言われたり、スピリチュアル的な感性が必要だと誤解されがちですが、私の実感では才能よりも“積み重ね方”のほうが圧倒的に大事です。

たとえば私は、気功の伝統的な修行法である「スワイショウ」や「大周天」を、熱心に毎日やってきたわけではありません。

数えてみても、せいぜい30回程度でしょう。いわゆる型通りの修行をしていないにもかかわらず、いま実際に気功だけで多くの症状に結果を出しています。

なぜか。

その代わりにやってきたのは、「自分の気がどのように出ているか」を常に観察しながら、実際の施術の場で“結果”にこだわってきたことです。

また、整体の技術も合わせて学び、目の前の人がどう変化するかに集中してきた。つまり、型ではなく“効果”という視点で気功を積み重ねてきたわけです。

そして、「これで本当にいいのか?もっと上手い人はいないか?」「自分の気は今、きちんと通っているか?」と常に問いながら、少しずつ積み上げてきました。

気功は才能ではなく、どう意識して積み重ねるか、どんな姿勢で向き合っているかで、効果も上達も大きく変わります。

私が気功を上達できた理由|振り返って見えてきた要素

自分がなぜ気功で結果を出せるようになったのか、正直なところ明確な答えはありません。

ただ、過去を振り返って「これは影響していたかもしれない」と思える要素はいくつもあります。

それは、典型的な気功の修行法ではない、バラバラな体験や習慣、姿勢の積み重ねです。

いくつか挙げてみます。


●「技術」として気功をとらえていた

スピリチュアルや霊性ではなく、気功は技術だと信じていました。

だからこそ、「感覚」や「再現性」にこだわり、自分の出す“気”を常に観察し続けました。


●気功以外にも多方面からアプローチしていた

  • 合気道を15年以上続けていたことで、体の使い方や重心感覚が自然と養われていた

  • カイロプラクティックの学校で、偶然瞑想の授業があり、毎回やっていた

  • 整体師として自分の体を調整できるため、コンディションの精度が高い

  • 呼吸法や瞑想にもハマっていた時期があり、今も断続的に継続している

  • ボルダリングなど、地味に体を使う趣味があり、体の感度を上げる一助になった


●常に「上手い人を探していた」

自分より上手な気功師や施術者を探して、直接教わる機会を作っていました。

素直に吸収する姿勢と、実践で試す習慣が気の出し方を洗練させたと思います。


●「目の前の人を治すこと」だけを基準にしていた

気功の型や思想より、「その人が楽になるかどうか」しか見ていませんでした。

言い換えれば、“結果が出ない気功”は意味がない、という感覚で続けてきました。

施術で結果が出なければ悩み、追い込み、鬱のような状態になったこともあります。


●経営が安定しても、技術への興味が消えなかった

ありがたいことに経営的には困らない状態になっても、「まだ上がある」と感じていました。

目先の売上や効率より、「どうすればもっと早く、確実に治せるか?」の追求に時間を使っていました。


こうして見ると、まったく関係なさそうな要素も、今思えばすべてがどこかでつながっていたように思います

気功の修行だけをやっていたら、逆にここまで来られなかったかもしれません。

技術面より重要だった“意識”と“姿勢”

気功をやっていて強く思うのは、技術そのものよりも、「どんな姿勢で取り組んでいるか」の方が、効果に直結するということです。

どれだけ知識があっても、どれだけ型を練習しても、「相手を治そう」という意識が抜けている人は、ほとんど結果が出ません。

逆に、基本ができていなくても、「どうしたらもっと楽にしてあげられるか」「本当にこの人の力になりたい」と思ってやっている人の気は、明らかに相手に伝わります。


●「出せばいい」ではなく、「届くかどうか」が大事

気を出すこと自体は、ある程度誰でもできます。

でも、“出す”ことと“届く”ことは別です。

「気が届く状態」というのは、意識が集中していて、余計な見栄や不安がなく、目の前の相手にフォーカスできている状態。

それには、技術以上に、自分の精神状態や向き合い方が問われます。


●目先の金に囚われない姿勢が、結果として気を強くする

私は常に、「通わせるよりも卒業させる」ことを意識してきました。

「通わせるために治さない」施術は、どこかで自分の気に濁りを作ると思っています。

お金は大事ですが、結果を出すことを第一に考えて、正直であることを最優先にしてきました。

それが巡り巡って、施術効果にまでつながっていると感じています。


●結局、気功は“人間性”が出る

気功のような見えない技術ほど、施術者の在り方がそのまま効果に出ます。

ごまかしている人の気功は、薄っぺらくて浅い。

真面目にやっている人の気功は、シンプルでも深く届く。

「技術が足りないからうまくいかない」のではなく、姿勢がずれているから結果が出ないというケースの方が、正直多いと思います。

気功が上手くなる人の共通点とは?

これまでに多くの人を見てきて、気功が伸びる人にはいくつか明確な共通点があります。

逆に言えば、うまくならない人はたいていこの逆をやっている印象です。


①「素直にやってみる人」

まず一番大事なのは、“とりあえずやってみる”という素直さです。

頭で考えすぎたり、「本当に意味あるの?」と疑いながらやる人は、たいてい気が出ません。

逆に、「よく分からないけど言われた通りにやってみるか」と実践する人は、早く体感できるようになります。


②「人と比べず、自分の感覚に集中できる人」

気功は“内的な感覚”を扱う技術なので、他人と比べて焦る人ほど感覚が鈍くなります。

逆に、自分の変化に丁寧に意識を向けられる人は、静かに伸びていきます。


③「自分の体・心に興味がある人」

「どうしたらもっと気が出るか」「この姿勢だと出やすいな」など、自分の体を観察する習慣がある人は、気功も上達が早いです。

気功は“観察”と“修正”の連続だからです。


④「結果を出す責任感を持てる人」

施術やヒーリングをする立場になるなら、「相手を良くするんだ」という責任感が持てるかどうかは非常に大きいです。

ただの趣味としてやっている人と、相手の人生を背負っているつもりでやる人では、気の強さもまったく違ってきます。


⑤「気功が好きで、楽しめている人」

最終的にはここです。
好きなことをやっている人は、勝手に上手くなっていきます。

「うまくやらなきゃ」と力が入っている人よりも、「おもしろいな」と夢中になっている人の方が、深いところに入っていきます。


まとめると、気功が上手くなる人は、特別な能力があるわけではありません。

ただ、姿勢が良い、素直、真剣、興味がある、楽しんでいる──このあたりを自然に持っている人が、結果として達人になっていきます。

まとめ|気功は「楽しみながら真剣にやる」が最強

ここまでいろいろと書いてきましたが、気功を上達させる一番の方法は、**「楽しみながら、真剣にやること」**に尽きると思っています。

「真剣にやる」だけだと、どこかで無理がきます。

逆に「楽しむ」だけだと、効果や成長が止まります。

この両方をバランスよく持てる人が、気功の力を一番引き出せる。

私は、型や流派にこだわらず、自分なりの方法で試行錯誤してきました。

そして「どうしたらもっと良くできるか?」「本当にこれで相手のためになるか?」を、毎回の施術で考え続けてきました。

その積み重ねが、いつの間にか“結果の出る気功”になっていたのだと思います。

気功は誰にでもできる技術です。

でも、「誰でも簡単に上手くなれる」わけではありません。

自分の意識の持ち方、日々の積み重ね、相手への向き合い方──

そうした“地味で目に見えない部分”が、気功の効果そのものを決めるのかと考えます。

もしあなたが「本物の気功をやってみたい」と思うなら、まずは自分の在り方から見直してみてください。

気功は、誰にでも開かれた技術であり、結果を出せる手段です。

あとは、それに本気で向き合い楽しめるかだけです。