気功が効かない人はいるのか?

結論:基本的に「効かない人」はいない

気功が効かない人はいるのかといったら、結論から言うと「基本的にいません」。

なぜなら、人体を構成する組織や仕組みは、誰もが共通して持っているからです。

一言で説明すると、手術のときに使う麻酔に似ています。

確かに、麻酔が効きやすい人・効きにくい人という個体差は存在します。

しかし、もし「全く効かない人」がいたら、そもそも手術そのものが成立しないのと同じです。

気功も同じで、体の仕組みに作用する以上、「全く効かない」ということは基本的にあり得ないのです。

また、人体の構造という観点で言えば、例えば高いところから飛び降りたときに、年齢や体力の違いによって耐えられるかどうか、怪我をするかどうかという個体差は出ます。

けれども、骨や筋肉、神経といった基本構造は誰もが同じ。

だからこそ、原理としての作用点が共有され、ゼロ反応というケースは極めて稀です。

「効く/効かない」をどう定義するか(前提の共有)

ここでいう「効く」は、以下のような客観的・準客観的な変化の有無で判断します。

可動域:頚部回旋、肩外転、前屈/後屈の角度が施術前後で拡大

筋緊張:触診での硬結の減少、圧痛点の軽減

姿勢指標:頭部前方位・肩甲帯の巻き改善、骨盤の前後傾の中立化

自覚症状:痛み(VAS)、だるさ、息苦しさ、めまい等の主観スコア低下

生理的所見(簡易):皮膚色・体表温感、呼吸の深さ・リズムの安定

※医療的診断・治療を置き換えるものではありません。必要時は受診を推奨します。

簡単に言うと

からだが動かしやすくなる

首を左右に向きやすい/肩を上げやすい/前後に曲げやすい。

こりや痛みがやわらぐ

押すと痛いポイントが減る・筋肉のカチカチがゆるむ。

姿勢がラクにまっすぐ

頭が前に出にくい・巻き肩が開く・骨盤が立ちやすい。

つらさが下がる

痛み・だるさ・息苦しさ・めまいなどが軽くなる(0〜10で自己評価)。

からだの反応が落ち着く

肌色が明るい/体があたたかい/呼吸が深くゆっくり。

「効かない」と感じる場合に考えられる要因

1. 施術者の技術不足

最も大きいのはこれです。気功そのものに効果がないのではなく、施術者の腕や精度が足りない場合です。

はっきり言えば「知識と技術が不足」だからです。

施術では、どの部位を狙うか、順序や強さ、時間の配分、さらに結果を見直して修正することが大切です。

どこか一つでも外れると、得られる効果は小さくなります。

2. 受け手の主観的な受け止め方

人によって感じ方が違います。

少しの改善でも「すごく効いた!」と感じる人。

明らかに改善があっても「これしか良くならない」とがっかりする人もいます。

同じ変化でも評価は正反対になり得ます。

これは気功に対する期待値・性格・過去の経験に影響されます。

3. 効果の見せ方・説明不足

施術者側が検査を行わず、変化を丁寧に説明しないケース。

実際には可動範囲が広がっていたり、姿勢が整っていたりするのに、本人は「なんとなく楽になった?」程度で止まり、「効いていない」と誤解してしまいます。

評価指標を共有し、前後差を数値・写真・動画(可能なら)で提示するだけで納得度は変わります。

間違った説明の典型例:「相性」や「気が通らない」

気功師の中には、こう説明する人もいます。

「あなたの性格や生活スタイルで効く効かないがある」

「あなたは気が通りにくい」

「この施術は相性が悪い」

しかし、これは本来絶対に言ってはいけないことです。

なぜなら、もし本当に腕前があるのなら、相性や性格に関係なく結果を出せるからです。

少なくとも私は、常に変化を出しています。

お金を頂く以上は、自分の腕の未熟さを素直に認めずに、相手の責任にするなど言語道断だからです。

経験上、こういう言葉を口にする施術者ほど——

  • 自分には甘く、他人には厳しい
  • 結果を出せない責任を相手や環境に転嫁する
  • 能力不足を正当化するために「相性」という言葉を使う

という傾向がかなりあります。

こうした言い訳に出会ったら要注意です。

改善が進まず、時間もお金も無駄になってしまいます。

信頼できる施術者は、責任を相手に押し付けず、自分の技術を磨いて結果を出すことに集中されています。

実際の検証結果と方法(当院データ)

当院では、実際に100人を対象に「施術前後で効果があったかどうか」を検査しました。

結果——

100人中100人に何らかの変化が確認されました。

評価方法の例

頚部回旋角度・肩外転角度

前屈距離(指床間距離)

圧痛のVAS(0–10)

姿勢写真の前後比較(頭部前方位・肩の巻き)

判定基準の例

角度:左右差の縮小 or 10–20°の改善

圧痛:VASで2以上の低下

姿勢:視診で明確な左右差の縮小/胸郭の拡がり

何が変われば「効いた」と言えるか

首や肩の動き

首を左右に向けやすくなる/腕を横から上げやすくなる。

(目安:さっきより遠くまで向ける、腕が耳に近づく。左右差が小さくなる/角度で言えば約10〜20°アップ)

押したときの痛み

いつものコリを押した痛みが0〜10の自己評価で2以上さがる。

(例:7→5なら改善。もともと軽い人は“0になる”or 30%以上ダウンを目安)

姿勢の見た目

頭が前に出にくい/肩が開く/胸が広がる。横からの写真で、耳−肩−骨盤の縦ラインがまっすぐに近づく。

もちろん、効果の大きさには差があります。

不快感の消失・軽減

吐き気、眩暈、頭痛、打撲や骨折の痛みなど消失・減少する。

劇的な改善が出る人もいれば、小さな変化に留まる人もいます。

しかしそれは「施術の精度がどれだけ噛み合ったか」の違いであり、「効かない人がいる」という話ではありません。

ケース別:こういう時に「効かない」と感じやすい

期待が高すぎる:10の不調が1回でゼロになることだけを「効いた」と定義している。

慢性化が長い:年単位の硬さ・癖は分解→再教育の段階を要する。

説明を聞いていない/伝えていない:施術前のしんどさ・生活動線・再現性の高い動作(例:立ち上がり時痛)を共有できていない。

複数回必要という理解がない:即時変化は出るが、数回の施術で「定着」させる必要があることを知らない。

当院が施術時に必ず行う「見える化」

事前ヒアリング:困っている具体動作(起床・階段・デスクワーク・歩行距離)

ベースライン測定:可動域・圧痛・姿勢・呼吸

施術→再測定:同じ指標で即時の前後差を提示

目標の再設定:ゼロを目指すのか、7→3をまず切るのかを共有

これにより、体感が鈍いタイプでも、データとしての変化を把握できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 初回で全く感じなかったら?

A. まず前後の客観指標をご確認ください。体感が薄くても、可動域や姿勢が変わっている例は多いです。

体感は術後に分からなくても、生活の中の生活の改善で「ハッキリわかる」人もいます。

Q2. 「相性が悪い」と言われました。

A. 多くの場合、施術側の精度や説明の問題です。相性という言葉で原因を外在化させる説明はおすすめしません。

Q3. 遠隔でも効きますか?

A. 仕組み上は対面と同様に変化が出ます。ただし初回は評価と説明のために対面を推奨することがあります。

Q4. 高齢でも大丈夫?

A. 動きを強制しないため、年齢・体力に依存しません。評価→微調整の反復で安全に進めます。

Q5. 好転反応はありますか?

A. 体が大きく切り替わると、一時的に眠気を感じる人がいます。

技術不足の施術者の気功を受けると、だるさや倦怠感と言った不快感が出る場合があります。

これは好転反応ではなく、ただの悪影響です。通常はあり得ません。

まとめ

気功は人体の普遍的な仕組みに働きかけるため、基本的に「効かない人」はいない。

「効かない」と感じるのは、施術者の技術不足・受け手の主観・説明不足による誤解がほとんどです。

「相性が悪い/気が通らない」は責任転嫁の言い訳です。

当院の検証では、100人中100人に変化が確認されているからです。

差が出るのは、施術精度の噛み合いの問題です。

体感が薄い場合でも、可動域・姿勢・圧痛などの客観指標で変化を確認できます。

結局のところ、気功は原理的に効果が出るものです。

もし効果を感じられないなら、それは「気功が効かない」のではなく、施術者の精度や説明が甘かっただけということなのです。