こんにちは、今回は気功における『偏差(へんさ)』のお話をします。

気功を学んだり、実践したりする中で「身体が重くなった」「なんとなく調子が悪くなった」「以前より元気が出ない」と感じたことはありませんか?

それは、もしかしたら偏差が原因かもしれません。

本記事では、「偏差とは何か」「なぜ偏差が起こるのか」「偏差が起こったときの具体的な施術法・解消法」を詳しく解説します。

1 気功の偏差とは

とは?のイメージ場像

気功における「偏差(へんさ)」とは、誤った方法や無理なやり方で気功を行ったときに生じる、特有の体調不良のことを指す専門用語です。

気功は本来、正しい方法や自然で無理のない稽古を行えば、心身に良い影響だけが現れ、問題が起こることはまずありません。

しかし、間違った方法で練習を続けると、身体や精神に違和感や不調を感じるようになってしまいます。

これがいわゆる「偏差」です。

偏差が起きていることに気づかないまま、不調の原因が分からず困っている方も多くいます。

そこで今回は、気功で偏差が起こった際の適切な対処法・施術法について具体的に解説していきます。

2 気功の偏差の症状

気功で偏差が起こると、いくつかの特徴的な症状が現れますが、自覚の度合いは人によって異なります。

主な症状としては、脱力感や倦怠感(だるさ)、やる気が起きない、以前より身体の調子が優れないなどが挙げられます。

偏差の症状は「明確にこれが悪い」と感じられるようなハッキリとしたものもあります。

しかし、漠然とした不調や違和感として感じられることがほとんどです。

そのため、自分が偏差になっていることに気づけず、なんとなく体調が悪いまま過ごしてしまう人も少なくありません。

3 気功で偏差がおこる原因

1 独学で間違った練習法をしている

気功を独学で学ぶ際に最も多い問題は、「間違った方法で練習していることに本人が気付かない」という点です。

独学の場合、本や動画を頼りに自分の感覚だけで練習することになります。

その結果、「元気になるために気功を始めたのに、むしろ調子が悪くなった」「調べて初めて『偏差』という言葉を知ったが、具体的な解決法が分からない」と困惑する方が少なくありません。

特に多く見られる初歩的な間違いは、「意識を集中しすぎてしまうこと」です。

集中自体は必要ですが、過剰な集中は身体や気の流れを乱してしまいます。

もう一つのよくある間違いは「力むこと」です。

気功では、力みとは真逆のリラックスや弛緩した状態が重要ですが、感覚を掴もうとして無意識に身体を緊張させてしまう方がいます。

これも偏差を招く大きな原因です。

2 間違えた稽古法をしている

気功を先生に教えてもらう場合でも起きやすい問題があります。それは、「教わった通りに実践しているつもりが、いつの間にか自己流になってしまっている」ということです。

先生の指導通りにやっているつもりでも、自分の中で「こうした方が良い」と勝手に判断し、気づかないうちに指導された方法と違う動作や意識を取り入れてしまうことがあります。

自分なりの工夫や考え方を取り入れることは、ある程度上達した後なら問題ありません。

しかし、基本が身に付くまでは、先生の教えに忠実であることが極めて重要です。

自己流になると、正しい気の流れや身体の使い方が崩れ、結果として偏差が起こりやすくなります。

武道の世界で言われる「守破離(しゅはり)」という言葉のように、まずは指導を正しく「守る」ことから始め、自己流を控えることが偏差を防ぐための基本です。

間違えたことを教わっている

独学ではなく、先生の教えを忠実に守っているのに偏差が起きることがあります。その原因は、教えている先生自身が間違った方法を伝えているからです。

気というものは目に見えないため、気功を習う際に先生の実力を正しく見極めることは、初心者や未経験者にとって非常に難しいものです。

実際には未熟な気功師が、十分な技術や実績もないまま気功教室を開いていることもあります。

そのため、生徒は先生が教えていることを忠実に守っているつもりでも、間違った気功を習い、結果として偏差が起こることがあります。

気功には人の健康を改善する力がありますが、逆に間違った方法を使えば健康を害する危険性もあります。

気功の師匠や教室を選ぶときは、その先生が本当に実績や能力のある人物なのか、慎重に見極める必要があります。

悪い気を送られている

頻度はそれほど多くないものの、悪い気を受けてしまったことによって偏差が起き、体調不良を感じるケースも実際にあります。

そもそも、気には「良い気」と「悪い気」が存在します。

例えば、大腸菌に気を送り、大腸菌の増減に影響を与えるという実験が実際に行われ、成功しています。

このことからも分かるように、気は人の健康を改善する方向にも、害を与える方向にも働く力を持っています。

実際に相談を受けた例では、「遠隔の気功を数年にわたって受け続けていたが、逆に症状が悪化した」という方もいます。

このケースでは、気功の効果自体がなかったのか、あるいは悪い気を送り続けられていたのかは判断が難しいところですが、後者の可能性も否定できません。

気功の先生に習ったはずが、意図せず悪い気を送られてしまったり、施術を受けたのに逆に具合が悪くなったりするケースもあるため、注意が必要です。

さらには、偏差の症状を「好転反応だ」とごまかす悪質な気功師もいます。

気功を受けたり、習ったりするときは、このようなリスクがあることを理解し、慎重に判断することが重要です。

5 偏差の解消法

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1 全身を払う(気を払う)

偏差を解消する最も簡単で効果的な方法が、「全身を払う」という方法です。

具体的には、肩から腕を通って手先へ、腰から脚を通って足先へと、「身体についたほこりを払うような感覚」で全身を払い流していきます。

払うときは指先だけを使うのではなく、手のひら全体を使って身体の表面を滑らせるように、サーッと軽やかに何度も払います。

頭や顔についても同様に、洗顔や洗髪の後に水気を払うようなイメージで、丁寧かつリズミカルに行います。

こうして全身を払うことで身体の中の気が整い、偏差の症状が改善されます。
終わった後は、身体がスッキリと軽くなったように感じられるでしょう。

2 修功をする

気功の稽古において軽視されがちですが、実は非常に大切なのが「修功(しゅうこう)」です。

修功は一見シンプルで簡単な動作なので、初心者のうちは「それほど重要ではない」と感じるかもしれません。

しかし実際には、気功を行った後に修功をやるのとやらないのでは、身体の感覚や気の流れに明らかな違いがあります。

修功には、乱れた気を整え、偏差を予防・解消する効果があり、練習後の不調を防ぐ上でも欠かせない大切な方法です。

気功を練習したあとは必ず修功を行い、身体と気の状態をしっかりと整えるようにしてください。

3 気功師の良い気を受ける

払い方も試したけどいまいち、修功もできているのかできてないのか良く分からない場合、手っ取り早いのは上手い気功師に気を整えてもらうのが一番です。

気功師だから気を整えられるのは当たり前だからです。

偏差の場合は一回気を整えてもらうだけで、スッキリ身体軽くなったり、だいぶ楽になるはずです。

自分で全身を払ったり修功を試しても、いまいち効果を感じられなかったり、正しくできているか不安な場合、最も確実で早い解決法は『上手な気功師に気を整えてもらうこと』です。

優れた気功師であれば、偏差を起こした気の乱れを整えるのはごく当たり前のことです。一度しっかりと気を整えてもらうだけで、身体が軽くなり、スッキリと楽になるのを実感できるでしょう。

自分一人でうまく解消できないと感じた場合は、無理をせずプロの気功師の力を借りることをおすすめします。

気功の偏差についてまとめ

今回は気功における「偏差」の症状や原因、その解消法について詳しく解説しました。

正しい方法で気功を学び、稽古をしている限り、偏差が起きることはまずありませんのでご安心ください。

気功における偏差の多くは、間違った独学や、未熟な指導者に習った場合に起こります。逆に言えば、正しい気功を習得し、実践している人にとっては偏差は無縁のものです。

万が一、偏差の症状が出たとしても、「全身を払う」「修功を行う」など、自分自身ですぐに対処できる方法があります。

自分で解決が難しい場合は、信頼できる気功師に気を整えてもらうと、より早く確実に回復できます。

気功の偏差は、正しい知識と対処法があれば恐れる必要はありません。

ぜひ、安心して正しい方法で気功を実践し、その素晴らしい効果を存分に体感してください。

以上、気功の偏差の原因と症状、解消法のまとめでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。