気功習得の秘訣
こんにちは。今回は、気功の効果が出にくくなる「間違った気の出し方」についてお話しします。
当院では気功の体験会を行っており、他で気功を習った方や、独学で練習されている方が来られることがあります。
そうした方の中には、「自分の気がちゃんと出ているか見てほしい」という希望を持って来られる方もいらっしゃいます。
実際に気を受けてみると、多くの場合、気の出し方が分かっていない、あるいは効果が出にくいやり方をしていることが多いのです。
集中して出す気と、集中しない気の違い
気功の気の出し方は、大きく分けて2つあります。
- 一つは、「集中して気を出す」方法
- もう一つは、「集中せずに自然に気を送る」方法
現在、日本で広く行われているのは前者の「集中して気を出す」やり方で、これは中国で発展した武術系・医療系気功のスタイルに近いものです。
一方で、日本に古くから伝わる気の出し方は、過度に集中せず自然体のまま気を出すスタイルです。
力まず、コントロールしようとせず、自然に気が流れていく感覚を大切にします。
どちらが正しいという話ではありませんが、気功を習い始めたばかりの人にとっては、「集中しない気」の方が圧倒的に結果が出やすいのです。
なぜ多くの人が「念じてしまう」のか?
独学で気功を学んでいる方や、教える立場にある方の中にも、「集中すること=正しい気の出し方」だと考えている人が多くいます。
その結果、無意識のうちに“念じるような出し方”になってしまうことがよくあります。
本来、気を出す際の「集中」と「念」はまったく異なるものです。
しかし、この違いを理解せずに練習してしまうと、「気を出そう」とする意識がいつの間にか「強く念じる」方向にズレていきます。
そしてこれが、気功の効果が出にくくなる大きな落とし穴になっているのです。
「念」と「意識の集中」はまったくの別物
たとえば、
- 「治れ治れ」
- 「気が出ろ気が出ろ」
と強く願うことは、「念」にあたります。
気を出すには、**念じるのではなく、“気を感じる・操る・自然に送る”**ことが重要です。
意識の集中は大切ですが、念じてしまうと逆に効果は落ちます。
念じると何が起こるか?
気を出すときに「気が出ろ」「治れ」といった言葉を強く念じてしまうと、次のような問題が起こりやすくなります。
- 気の効果が出にくくなる
- 身体に余計な力が入り、緊張して疲れやすくなる
- 気がスムーズに流れなくなる
このように、念じることでかえって逆効果になることが少なくありません。
正しい気の出し方とは?
気功で大切なのは、念じることではなく、気を“感じて、流す”ことです。
強く意図する必要はありません。
自然な意識で、自分の中の気を感じ、そのまま相手に送る──それが正しい気の出し方です。
ポイントは以下の通りです:
- 念じない
- 気を感じることに意識を向ける
- 無理に操作しようとしない
- 体をゆるめて、自然に気を流す
このようにすれば、無駄な力みが抜けて、効果的に気を送ることができます。
まとめ
気功を行う際、「念じる」ことで気が出ると思っている方は少なくありません。
ですが、念じることと集中することは全くの別物です。
念じてしまうと、気がうまく出ないだけでなく、身体が緊張し、疲れやすくなり、気が流れにくくなるという逆効果を引き起こします。
気功で重要なのは、気を感じながら自然に出すこと。
強く意図するのではなく、ただ意識を向け、気の流れを受け入れることが大切です。
気功の効果がいまひとつ感じられない方は、ぜひ一度、「念じていないか?」という視点から、自分のやり方を見直してみてください。