はじめに姿勢矯正は必要?

姿勢が悪いと、見た目の印象だけでなく、身体のあらゆる機能に影響します。

まず、姿勢の崩れによって呼吸が浅くなり、内臓の働きや自律神経のバランスが乱れやすくなります。

その結果、慢性的な疲労感や集中力の低下、眠りの質の悪化などが起こりやすくなります。

また、歪んだ姿勢は筋肉や関節に余計な負担をかけ、肩こり・首こり・腰痛といった不調を繰り返す原因にもなります

さらに美容面でも、猫背による丸い背中や、首が前に出た姿勢、顔のたるみといった見た目の変化を引き起こします。

つまり姿勢が悪いというのは、見た目・健康・気分のすべてを損なう状態です。

だからこそ、姿勢を正しく整えることは「見た目を良くする」だけでなく、体そのものの機能を取り戻すための根本的なケアなのです。

姿勢矯正に関しては、もう整って当然です

正直に言ってしまうと、姿勢矯正についていちいち語るのも、もう少し面倒に感じるくらいです。

なぜかというと、私は長年、整体・カイロプラクティック・オステオパシーなど、体の歪みを整える仕事をやってきました。

つまり「体の歪みを整えること」が、この仕事の大前提なんです。

これまで15年以上、さまざまな技術と手法を身につけてきて、「どこをどうすれば体が整うか」は、もう感覚として分かっています。

だからこそ、猫背を改善できない方がおかしいんです。

体の歪みを整える、体質を変えと勝手に姿勢は改善される──それは、もう長年やり続けてきたことです。

姿勢の良し悪しは、見た目に一番分かりやすい施術が上手くいったか判別できるサインなのです。

だから施術をすれば姿勢が整って当然なのです。

姿勢矯正は「全身を見られるか」で決まる

「どうしたら姿勢を矯正できるんですか?」と聞かれますが、答えは“すべて”です。

姿勢というのは、体のどこか一部だけで成り立っているものではありません。

たとえば――

• 足の重心が狂っている人は、足首から先の関節を整える必要があります。

• 骨盤も大事ですが、それだけでは不十分です。

• 実際には、肩関節・鎖骨・肋骨といった上半身の構造も整えなければ、正しい姿勢は維持できません。

さらに、過去のケガも見逃せません。

たとえ幼い頃(2〜3歳でも)に捻挫・打撲・転倒・頭をぶつけた経験があれば、その影響が姿勢の歪みとして今も残っていることがあります。

つまり、姿勢矯正とは「骨盤を動かす」ことではなく、体全体の関節・筋肉・バランスを細かく見極め、原因を特定して整えることです。

だからこそ、「どこをどう整えればどう変わるか」を見立てられるレベルの施術でなければ、根本的な改善はできません。

姿勢を整える“決まりきった型”は存在しない

「肩が丸まっているから肩を矯正すればいい」――そう考える人が多いですが、実際はそんな単純な話ではありません。

肩の位置が崩れている人でも、原因が手首や肘にある場合もあれば、足首の歪みや鎖骨・肋骨・頭部・顔のバランスが関係していることもあります。

つまり、肩が悪い=肩を直せばいい、という一律のやり方では結果が出ません。

見関係なさそうな箇所も、肩の高さや体の傾きに直結しています。

姿勢というのは、全身の連動の結果として現れているものです。

どこをどう整えれば変わるのかは、人によってまったく違う。

だからこそ、「この症状にはこの施術」というマニュアル的な発想では、思うような改善は起こりません。

本当に姿勢を直せる施術とは、その人の体がどう歪み、どこが原因になっているかを読み取ること。

そこを正確に見抜けるかどうかが、結果を出せるかどうかの分かれ目です。

本当の姿勢矯正とは、首と頭の位置まで整う

姿勢矯正で一番重要なのは、首と頭の位置まで正しく整えられているかどうかです。

多くの整体や姿勢矯正では、巻き肩や骨盤の前傾・後傾、いわゆる“でっちり”が改善した段階で終わってしまいます。

しかし実際には、首が前に突き出ている・顎が前に出ている・頭だけ前傾している――

この状態が残っているケースが非常に多いのです。

姿勢というのは、骨盤から頭までが一つのラインとして整って初めて“まっすぐ”になります。

首や頭が残ったままでは、見た目も機能的にも完全に整ったとは言えません。

正確に言えば、首から頭までを含めてまっすぐ立てるように整えられるかどうかが、姿勢矯正の腕が良い施術者かどうかの分かれ目です。

実際に多くの「ビフォーアフター」写真を見ると、骨盤や背中はまっすぐでも、頭だけ前に出たままというものがほとんどです。

はっきり言って、それは中途半端な状態です。

効果が“見てわかる”レベルでなければ、改善とは言えません。

姿勢矯正というのは、「やってみたけどよく分からない」では話になりません。

受けた直後に 明らかな変化 が出てこそ、効果があると言えます。

実際、猫背や姿勢の歪みが大きい人では、5センチ〜10センチ、中には15センチ以上も姿勢が戻る方もいます。

それくらいの変化が、施術台から立ち上がった瞬間に見て分かるレベルで起きる。

これが本来の「姿勢矯正」です。

隣にいる人が見ても、「あ、まっすぐ立ってる」「背中が伸びてる」と分かるくらい――

それが改善です。

そして、2〜3回施術を受けて「もうこれ以上良くならないな」と感じるくらいまで整えば、猫背改善として十分な状態になります。

それほどの変化を出せることが、本当の姿勢矯正の技術レベルです。

初回で変化が出ないのは、施術が的を外している証拠

「姿勢が曲がりすぎているから何回もやらないと変わらない」「初回では変化が出ない」――

そう言われることがありますが、これは正しくありません。

本来、正確に原因を捉えて施術できていれば、初回から必ず変化が出ます。

もし変化がないなら、それは施術を受ける側の問題ではなく、施術者側の見立てや技量が的を外しているということです。

たとえるなら、料理で言えば「生焼け」や「焦げ」の状態。

火加減や手順を間違えれば、どんなに素材が良くてもきちんと仕上がらないのと同じです。

姿勢矯正も同じで、的確なアプローチができていれば一回の施術で体は必ず反応します。

また、よくある「姿勢コース7回」「10回セット」といったものも、本来は疑問です。

姿勢というのは、数週間で戻るようなものではありません。

何ヶ月、何年もかけて歪んできた構造が、正しい状態に戻れば、そう簡単に元に戻るものではない。

むしろ「戻らないこと」が、しっかり整った証拠なのです。

なぜ他では効果が出ないのか

なぜ他で効果が出ないかというと、マニュアル通りのことをやっているのと、そもそも技術を知らないからです。

ボキボキやるか、マッサージぐらいしか分かっていない人が多いのです。

根本的に言ってしまえば、向上心や熱意、意識を持っていない人が多いと思います。

また、よくあるのは売上が安定すると技術の向上をやめてしまう人です。

お金目的でやっている人、生活のために仕方なくやっている人もいます。

一方で、本当に施術が好きで、うまくなりたい、極めたいと思っている人は勉強を続けます。

そこが、結果を出せる人と出せない人の差なのだと思います。

そして一番大きいのは、もし施術がうまくいかなかったとしても、自分に対しては絶対に許せないという姿勢です。

ただ現実には、下手な施術者にあたっても「お客さんの癖が強いから」「こういう理由があるから」と言い訳をして、ごまかしてしまう人も多いのが現実です。

施術というのは、そうした言い訳でも仕事が成り立ってしまう世界です。

だからこそ、中途半端な人たちがまかり通ってしまうのだと思います。

結局何が違うのかというと、教えられていることや、世の中で一般的に言われていることをただひたすら同じように繰り返すだけで終わるのか。

それとも試行錯誤しながら「少しでも良いものを」「より良い状態を」「もっといい仕事をしよう」と考えて、自分のやり方を変化させていけるかどうかの違いだけだと思います。

この差が、最終的に仕事の結果にそのまま現れるのだと。

本当にそれしか言えません。

文字通り自分の仕事に対する姿勢が、姿勢矯正の出来の良し悪しにでるってことかと。

他で姿勢矯正を受けて思ったような効果が得られなかった方が来てくれると、その分の違いが見て分かります。