こんにちはよろしくお願いします。
患者を思ったように治せない人や、技術が上手くなりたい人が、一番習ってはいけないテクニックについてお話しします。
ちなみに私はボキボキ矯正をやったことがないのに、危ないと決めつける勉強不足な治療家などとは違い、一通りやってきた経験を踏まえてお話ししています。
一時はTMJなどもスラストしてましたが今は他の方法で対処できるのでやってません。
1 巷にあふれるゴッドハンドたち
最近youtubeにはたくさんの動画が出ているのを見ます。
ゴッドハンドと名乗る整体師や、治療家たちです。
でもいくらすごそうな事を言っていても、実際の施術動画を見ると、ただ揉むかストレッチするだけなので、ゴッドハンドらしいところは何一つ見られません。
ゴッドハンドや凄い治療法と宣伝している割には、一般的な事しかやっていないのです。
見たらすぐマネできてしまうようなものは凄くもなんともありません。
まともなカイロプラクティックやオステオパシーを習ったことがある人が見ると、大したことやってないのがわかります。
あれ?それってカイロやオステオパシーのテクニックじゃないの? その理論てあれだよねって感じで。
既にあるテクニックや理論を切り売りしているか、勉強不足なために知らないのででしょうか。
独学であれこれ試行錯誤して、がんばってるのは分かるけど、ある一定の域を出ていないレベルのテクニックといえます。
誰でも情報を発信できる世の中なので習う価値がないものが沢山あります。
2 習う価値のない「解剖学に沿ったマッサージ」
その中で一番と言って良いほど習う価値のないテクニックが解剖学に沿って揉むテクニックです。
なぜ揉む手技は習う価値がないかというと、マッサージやマニュピレーションというように揉む、コリをほぐすテクニックは無資格者の人たちがすでに散々やってきているものだからです。
マッサージを試行錯誤しながら延々とやり続けた結果、限界を感じて治せないことが分かったから、治せるテクニックを習おうと考えたのですよね?
それなのにまた似たようなテクニックを習う、これっておかしくないですか?
ご自身でも色々やって治せないと身をもってわかっているテクニックなのに、なぜ、あえてまた貴重なお金と時間を使って学ぶ必要があるのでしょうか?
筋肉を揉むのは、いくら理論が変わったとしても、アプローチする部位は同じです。
揉み方を変えたから物凄く効果が変わるというようなことはありません。
揉む部位を変えたら、多少効果は変わりますが、それでも筋肉を揉む行為には変わらないので、当然結果もそこまで変わりません。
それでも、揉むくらいしかできない治療家やセラピストは、「今度こそ違うかもしれない」という淡い期待を抱いて、解剖学と揉みほぐしを習いに行くのです。
しかし、根本的なアプローチが変わらなければ、結局は同じ結果しか得られません。
それなら上手くいかないテクニックを掘り下げるのはいったんお休みにして、新しいテクニックにチャレンジした方が新しい事を沢山学べます。
3 なぜ治せない人ほど、揉むテクニックを学びたがるのか?
なぜ、こんな簡単な話なのに、散々揉んできて治らなった人たちが、解剖学を取り入れたマッサージをまた習おうとするのかというと、すごく簡単な理由があるのです。
解剖学とマッサージを合わせた手技療法でセミナーを開催する治療家もわかっている仕組みがあるのです。
それは治せない人達がマッサージをベースとしていて、馴染みがあるからです。
つまりとっつきやすい、習いやすい、参加させるのが簡単だからです。
親和性が高いのです。
逆に名前も知らない、どんなことやるかもわからない、よくわからないものに参加したいと思う人は少ないです。
そういうのはお金になりにくいので、主催する側も開催しても人数が集まる可能性など考えるとリスクも高くやりません。
それなら、最初は初心者向けに馴染みのあるテクニックで人を集めて、徐々に高額なセミナーに参加させる方が簡単に稼げます。
という図式があるのです。
綺麗な言葉を使うならビジネスではマーケティングです。
4 治らない技術に引っかかる仕組み
この一連の流れを、治療家やセラピストと名乗っている人達は、見聞きしたり、ご自身の経験から記憶にあるはずです。
- とりあえず会話で、治りそうなイメージを持たせる
- 治療や手技を受けさせる
- 実際に通っても説明通りには治らない
これ治療家やセラピストなら、心当たりのある方、絶対いますよね?
もしかしたら仕事で毎日やってる人も沢山いるはずです。
では次
- とりあえず知識を並べて、治りそうなイメージを持たせる
- 解剖学を交えたマッサージのセミナーを受けさせる
- 説明通りにやっても治せない
こういう事です。
5 質の低いセミナーに騙されないために
治療家やセラピストの皆さんが普段やっていることをそのまま、治療家がセミナー講師になって、治療家やセラピストを相手にやっているわけです。
自分は引っかからないと思っているけど、治らない治療家の店に信じて通い続けているのと同じことです。
だれでも正しい知識と技術がなければ、質の低いものを購入したり、通ったりしてしまうのです。
不動産投資で騙されてしまう人も、知識のなさから、業者を信じて数千万の商品を買ってしまうのと同じです。
治療家としてしっかりした結果を出せない人が、正しい知識や技術を持ち合わせていないために、質の低いセミナーに出てしまうのは避けられないのです。
6 本当に学ぶべき技術とは?
解剖学を知らないからとりあえず馴染みのある所から習おうと考えるかもしれませんが、他のテクニックを学ぶときも必ず解剖学や機能生理学は出てきます。
てかそれがないと説明できないので教えられません。
切っても切れない仲なのです。
- 靱帯にアプローチするテクニック
- 神経を狙ったテクニック(末梢神経マニュピレーション)
- 動脈や血管を狙ったテクニック
- 筋膜にアプローチする方法
- 内臓へアプローチ(内臓マニュピレーション)
- 頭蓋骨へアプローチする(仙骨頭蓋骨療法)
全てをここには書きませんが、色々なテクニックがあります。
そういった技術を学べば、知識も増えるし施術できる部位も範囲もぐっと広がり上達できます。
そうすれば結果も自然とついてきます。
なぜかわかりますか?肩こり腰痛などの症状を治すことを目的としたテクニックは入っていません。
個別の組織にアプローチするテクニックです。
つまり症状を見るのではなく、人の身体を見ましょうという事です。
肩こり一つとっても原因なんて沢山あるので、肩こり腰痛など症状を治しますなんてテクニック現場で使えません。
まとめ
治せない人がやっている手技を学んでも、同じように治せないまま終わります。
巷にあふれる技術の多くは、見た目を変えているだけで本質的には同じです。例えば、
- 「トリガーポイント療法」と言いながら、実際はただの指圧と変わらないもの
- 「筋膜リリース」と言いながら、実際は強めにマッサージしているだけのもの
- 「骨格矯正」と言いながら、単なるストレッチや押圧をしているもの
こうした手法は名前が変わっているだけで、本質的にはマッサージと何も変わりません。
だからこそ、「馴染みがあるから」「簡単そうだから」と安易に飛びつかず、本当に価値のある技術を学ぶことが大切です。
治せる技術とは、神経・血管・筋膜・内臓など個別の組織にアプローチできる技術です。