こんにちは、よろしくお願いします。
整体や施術の現場でよくある悩みとして、「施術をする際に、どこから手をつければ良いのかわからない」というものがあります。
お客さんからすれば「え?そんな施術家いるの?」と驚くかもしれませんが、これは決して珍しい話ではありません。
今回は、施術の精度や効果を高めるために、どこから手をつけるべきかわからない施術家の方に向けて、具体的な解決法をお伝えします。
はじめに:施術の精度が低い人の特徴
検査や触診を行っているのに、思うような結果が出ない施術家には、共通する特徴があります。
一つ目は、触診や検査の精度そのものが低いケースです。
原因となる問題を特定できるほどの精度がないため、本当の問題にアプローチできていません。
二つ目は、原因がわかってもそれを改善する技術を知らない、あるいはテクニック自体の質が低いというケースです。
いくら原因を特定できても、解決手段がなければ意味がありません。
つまり、施術の精度が低い人は「問題を的確に特定できない」か、「特定した問題を解決できない」か、そのどちらかに問題があるということです。
また、検査や触診が不十分だと、施術後の結果を客観的に判断することが難しくなります。
そのため、自分の施術が成功したかどうかが曖昧になり、結果として施術の精度が上がらないという悪循環に陥ります。
なぜ施術前の触診・検査が必須なのか?
施術の精度や効果を高めるために絶対に必要なのが、施術前の「触診」や「検査」です。
触診や検査を行う目的は、関節の動きや筋肉・組織の異常など、体の具体的な問題を特定するためです。
問題が見つかった場合、それらをただ闇雲に施術するのではなく、施術の優先順位をしっかりと決定します。
これにより、的確で効果的なテクニックを選ぶことが可能になります。
一方で、「どこから手をつければ良いかわからない」と悩む施術家は、そもそも触診や検査のプロセスが不足しています。
そのため「どこに問題があるのか」が曖昧になり、結果として施術自体も曖昧で、正確性を欠いたものになってしまいます。
だからこそ、施術前には必ず触診と検査が必須となるのです。
「結果が出せる施術家」と「結果が出ない施術家」の違い
結果が出せる施術家と出せない施術家の決定的な違いは、触診や検査の精度と経験値にあります。
触診や検査の経験を重ねると、身体に触れた瞬間に「ここが異常だ」と直感的にわかるようになります。
実際に触れて、可動範囲や組織の状態を確認し、「ここは正常ではない」と判断できます。
また、施術後にも再度触診を行うことで、「どのような変化が起きたのか」客観的に判断できます。
こうした経験を積み重ねることで、施術の効果を予測できるようになり、「次回にはこうなっているだろう」と安定して見立てが立てられます。
一方、経験といっても単に年数が長いだけでは不十分です。重要なのは、これまで「どれだけ正確な施術を繰り返し、どれだけの実績を残してきたか」です。
実際に10年以上のキャリアがあっても、毎回同じような施術を繰り返し、改善も進歩もしない施術家は数多くいます。
また、検査や触診に頼らずに、経験や勘だけで的確な施術ができる人も稀にいますが、これも膨大な成功体験に裏付けられた実績があってこそです。
もし現状、どこから施術を始めればよいか分からないと悩んでいるならば、触診や検査の精度を徹底的に高め、問題を的確に特定できるようになることです。
ただし、検査や触診ができても、問題を解決するためのテクニックを身につけていないと意味がありません。
筋膜、靭帯、神経、骨、関節といった個別の組織に的確にアプローチできる手技療法(特にオステオパシー)や、体感が明確に現れるエネルギーワークなど、実際に結果が出せる技術を学ぶことが必要です。
最終的に、結果が出せる施術家とは、精度の高い触診・検査能力と、確実に効果を出せるテクニックを両方兼ね備えている人のことなのです。
施術の成果を「お客さんの主観」に委ねてはいけない理由
施術の成果をお客さんの「主観的な感想」だけで判断する施術家がいますが、それは明らかに間違いです。
もちろん、お客さんが「良くなった」と感じることは一つの指標になりますが、それだけを判断基準にすると、施術の本当の効果を見誤る危険があります。
実際には、多くのお客さんが「少し楽になった」程度でも「かなり改善した」と勘違いしてしまったり、逆に施術後に姿勢が良くなったり、関節の可動域が明らかに改善しているのに全く気付かなかったりするケースが頻繁に起こります。
こうした曖昧な基準を持つお客さんに、専門家である施術家が自身の施術の成功・失敗の判断を委ねるのはプロ失格です。
施術家が主観的な評価に頼ってしまう最大の原因は、施術前後の検査や触診による客観的な評価基準を持っていないからです。
施術家は、自ら明確な判断基準を持ち、施術の結果を客観的に判断する責任があります。
施術の成果を客観的に判断する方法
施術の成果を客観的に判断するためには、施術前後の検査と触診が不可欠です。
「痛みが減った」「楽になった」などのお客さんの感覚的な意見だけを成果の判断基準にする施術家もいますが、それでは正確な評価はできません。
正確な評価には、施術前後で関節の可動域や筋肉・組織の緊張状態を客観的に比較し、目に見える形で変化を確認する必要があります。
施術後の変化を明確に把握できることで、施術家自身も「何が改善し、何がまだ課題なのか」を正確に判断できるようになります。
施術の質を劇的に変える「触診・検査」の具体的なやり方
施術の精度を高めるためには、触診と検査の具体的なやり方を身につける必要があります。
まず、身体の右と左、前と後ろを触診で比較し、異常な緊張や関節の遊びがない部位を特定します。
特に関節の可動範囲や筋肉・組織の硬さを意識してチェックしましょう。
例えば、「背骨は柔らかくなったけれど、胸骨付近は硬いまま」というように、身体の各部位を細かく検査することで、具体的な異常を発見できます。
こうした丁寧な触診・検査を繰り返すことで、施術家は的確な施術ポイントを見極められるようになり、施術の質も劇的に向上します。
施術の精度を上げるために習得すべきテクニック(オステオパシー・エネルギーワーク)
施術の精度を高めたいなら、手技療法としては「オステオパシー」が最もおすすめです。
その理由は、現在使われているさまざまなテクニックの多くが、実はオステオパシーの体系にすでに含まれているからです。
オステオパシーには、血管・神経・内臓・筋肉・関節・靭帯といった個別の組織ごとに明確なテクニックが存在します。
同じ組織でも、さまざまな角度や方法でアプローチすることが可能です。
また、日本ではあまり知られていませんが、海外でオステオパシーは医師免許を取得した後に習得する専門的な医療資格です。
「オステオパス」と呼ばれる施術者は、手術を行ったり、薬を処方したりと、医師(メディカルドクター)と同じレベルの権限を持っています。
日本でも独自の技術を編み出したと主張する整体師がいますが、実際にはオステオパシーを知らずに、すでに存在しているテクニックを独自だと思い込んでいるケースもあります。
質の低いテクニックや、根拠があいまいな方法を習ってほしくありません。
もし、オステオパシー以上に結果が出せる手技療法があるなら、ぜひ教えてほしいくらいです。
ただし、私自身はオステオパシーだけでは満足できなかったため、「気功」などのエネルギーワークも取り入れています。
検査を行ったうえで、はっきりと変化や結果を出せるテクニックであれば、最終的には何を使っても構いません。
しかし、施術家として確実に効果を出すために、まず最初に身につけてほしいのはオステオパシー、そしてより即効性や明確な体感を求めるならエネルギーワークをおすすめします。
まとめ:「触診・検査・テクニック」習得こそ、施術家が成長する唯一の道
施術の精度や結果を本気で出したいなら、「触診・検査・テクニック」を正しく学ぶことが絶対条件です。
もし、あなたが施術で「どこから手をつければよいかわからない」と悩んでいるのなら、まず最初に行うべきは触診や検査を徹底的に習得することです。
なぜなら、原因を特定できなければ、正確な施術は不可能だからです。
触診や検査ができないということは、施術家としての基本的な勉強が不足しているということでもあります。
また、原因を見つけても、それを改善するテクニックを知らなければ意味がありません。
施術家として結果を出し、お客さんに信頼されるためには、「触診・検査・テクニック」の正しい習得が必要不可欠です。
技術の習得には終わりがありません。常に向上心を持って学び続け、施術家として成長し続けていきましょう。
この文章が、ほんの少しでもあなたの判断の助けになれば幸いです。
またよろしくお願いいたします。