こんにちは、よろしくお願いします。

今回は治らない治療院に通う理由というお話です。

患者さんの心理として、一回の施術で劇的に治してほしいと考えている方は極少数です。

ほとんどの方は、「何回か通うことになるだろう」と思いながら来院されます。

通院を始める前の患者の心理

しかし、その「何回か通う」という前提の中でも、一度施術を受けて、治る希望を持てるほど改善する以外に、もう一度この治療院に行ってみたいと思うかは、

  • 「先生の説明が納得できた」
  • 「効果を感じなかったが、この先生なら試してみる価値があるかもしれない」
  • 「店内の雰囲気が良かった」

というように、施術の手応えがなくても、先生の話が納得できれば通ってみようと思うこともあります。

正直な話、明らかに改善させたとしても正論で患者の機嫌を損ねると来なくなる方はかなりいます。

つまり実際に改善するかどうかよりも、不愉快にならない、この治療院なら良くなりそうだと、期待を持てれば通うのです。

そこで最初は期待感を持たせて来院させます。

しかし、明らかに変化の出せる施術が出来れば、効果で納得してくれるので、小手先の話術は必要ありません。

初回〜数回目の治療を受けた後

治療院側の誘導が始まる

そして数回通って治せないことが分かってこなくなるのを防ぐために、信頼関係を構築します。

・なれなれしい接客(安心感を与える)
・治らない理由・治りにくい理由の説明(納得させる)
・身体が悪くなるメカニズムの解説(「あなたは特別なケース」と思わせる)
・セルフケアの指示(通い続ける理由を作る)

治療家が、「治らない」と言えば患者さんはそもそも通う気持ちを失うため、遠回しに「うまく付き合っていくしかない」「長くかかる」「定期的にメンテナンスが必要」などと言い換えているのです。

さらに悪質な場合もあります。

  • ほっておくとさらに悪くなる、
  • 将来歩けなくなる
  • 寝たきりになる

など不安を煽る治療家までいます。

そして、それを真に受けた患者さんは、「これはもう治らないんだ」と思い込んでしまう人は、治らないままその治療院に通い続けることになります。

何か違和感がでて、通院をやめる人や、さらに良いお店を探す人に分かれます。

  • 施術のたびに改善させてあげれば、ネガティブな話題ではなく、改善してますね。この調子でいけば卒業できますとポジティブな話題が自然と出ます。

患者の心理の変化

来院を継続する患者さんの心理として、「これ以上悪くならないように通おう」と考えたり、「途中でやめたらもっと悪くなるかもしれない」と不安を抱えてしまうことがあります。

そうすると、治ることを目的として通っていたはずが、むしろ「通い続けること」に意識が向いてしまうのです。

さらに、治療を受けることで「先生に診てもらっているから、これで悪化は防げている」という安心感が生まれ、それが通院を続ける理由になってしまいます。

その結果、技術のない治療家を(依存してしまう)信頼して通い続けるという悪循環に陥ってしまうのです。

※効果を実感出来れば、不安から解放され希望が持てます。

何回通っても治らない状態

患者は「治らないかもしれない」と気づき始めるのですが、

  • 「ここでやめるのが怖い」
  • 「もう回通ったのに
  • 「今更やめるのは勿体ない」

引き返せなくなる心理(サンクコスト効果) が働くのです。

「先生に診てもらっているから、この程度で済んでいるのでは?」と思い始める心理的依存も起きます。

治すことが目的だったはずが、「治療を受けること」が目的 になってしまうのです。

その後も、治療院側は「症状が悪化しないようにメンテナンスを行っています」と説明し、通い続けるよう促すことがあります。

しかし、実際には「治せないから長期的に通わせる」というスタイルをとっているだけであり、本質的には改善していないのです。

「これ以上悪くならないように施術しましょう」、「悪化していないですね」などと言うのですが、実際には痛みの回数が増えたり、違う部分に不調が出たりすることがあります。これは、根本的な改善ができていないためです。

これは、本来の「メンテナンス」とはまったく異なります。

実は、メンテナンスの方がはるかに難しいのです。

例えば、「汚れた部屋を片付ける」よりも、「掃除が終わった部屋をさらにきれいな状態に保つ方が精度が求められる」のと同じです。

つまり、改善すらできない治療家が、維持するためのメンテナンスを提供できるはずがないのです。

「治せないのにメンテナンスします」と言うのは、家が崩れかけているのに、壁の塗装だけを直してごまかしているのと同じです。

※まともな施術を受けていれば、こんなことには絶対ならずに、順調に改善して、とっくに卒業できている頃です。

さらに通い続ける患者と、見切りをつける患者

治らないのに通い続ける理由は、「接客が良い」「雰囲気が良い」といった治療技術とは関係のない要素に魅力を感じているからです。

通うのが習慣になり、生活の一部と化している人もいます。

先生との 信頼関係が強くなりすぎて、治療院の 信者のような状態 になってしまっているのです。

見切りをつける患者は、「何回通っても治らない」と気づき、別の治療院を探し始めますが、時間やお金を無駄にしたと感じて悔しくなることもあります。

そして、その悪化に半年や一年かけてようやく気がついた患者さんは、別の治療院を探し始めるのです。

通い続けても治らないのであれば、その治療に意味はないはずです。

私は、そういった治療院には通いたくありませんし、皆さんもきっと同じ気持ちではないでしょうか。

 通う理由が「納得感」や「期待感」になっていないか?

→ 施術を受けるたびに明確な変化を感じられず、「先生が丁寧だから」「話を聞いてくれるから」という理由で通っていないか?

本来、通う理由は 「実際に症状が改善していること」 であるべき。

改善しないのに「メンテナンス」と言われていないか?

→ 「悪化しないようにメンテナンスしましょう」「今の状態を維持しましょう」と言われて、本来の目的である「改善」が後回しになっていないか?

「メンテナンス」は本来、改善が完了した後に行うもの。まだ治っていないのにメンテナンスを続けるのは、本末転倒。

「治ること」より「通うこと」が目的になっていないか?

→ 「ここで治療をやめたらもっと悪くなるかもしれない」「途中でやめるのが怖い」という気持ちになっていないか?

本当に良い治療なら、卒業できることが前提。

「治るために通っていたはずが、いつの間にか『通い続けること』が目的になっていないか」を見極めることが大事。

まとめ

私は、こんな治療院には絶対に行かないし、そんな施術をする気も一切ありません。

そもそも、治ることが前提の施術 をしていれば、「不調のまま面目だけのメンテナンス」や「長く通うこと」が必要になることはないのです。

もし、今通っている治療院で

×「なんとなく効果を感じない」

×「このまま通っていて本当に良くなるのか不安」

×「治ると言われたけど、ずっと変わらない」

と思っているなら、それはもう見切りをつけるタイミングです。

本当に治る治療院なら、施術のたびに変化があるのが当たり前です。

「通い続けても良くならない」と感じた時点で、それはあなたに合っていないか、そもそも治せる技術がない治療院です。

治療は「通うこと」が目的ではない。

治すことが目的です。

「ここに通い続けなければ不安」と思わせるような治療院には、これ以上あなたの貴重な時間とお金を使う必要はありません。

もし現在治療院に通われている方は、何かに気が付いてもらえれば幸いです。

またよろしくお願いします。

ありがとうございました!