今回は 50代の女性 のケースです。
この方は 手術で股関節を固定するために金属のプレートを入れた のですが、手術中に開いてみると 事前の想定と状態が異なっていた ため、急遽 別のプレートを入れることになった とのことでした。
その後も痛みが引かず、医者に相談したところ 「時間が経てば馴染んでくる」 と言われたそうです。
つまり、 年月が経てば自然に良くなる という説明を受けたとのことでした。
しかし、実際には 痛みが一向に引かず、さらに 歩行時の不安感や体重をかけられない状態 が続きました。
動かすたびに 違和感や不安感 があり、うまく歩けなくなったため、最終的には 杖をつく生活 になってしまったそうです。
こういう手術前より、手術後の方が酷くなったという人は、結構な確率でいるので、手術の前にこういうお店の施術を受けることをすごくお勧めします。
最初に状態を確認したとき、どういう痛みなのか気になりました。
もし どこかが噛み合っていたり、筋肉が金属に引っかかっていたり、実際に怪我をしている のであれば、それが原因で痛みが出ている可能性があります。
しかし、そのような問題は見当たりませんでした。
つまり、 体に本当の異常はないのに、異常だと認識してしまった結果、痛みが出ている という状態だと判断しました。
そのため、 成長の過程として良くなるのではないか と思いました。
1回目の施術の変化
施術前は、 歩行時のバランスが悪いため、 両手を少し広げるような姿勢で歩いている 状態でした。
通常であれば腕を前後に振って歩くはずですが、それができず、 腕を振らずに両手を広げ、バランスを取るような歩き方 になっていました。
立ち上がる前から痛みがあり、立ち上がる際にも痛みを感じる状態 でした。
また、 立ち上がった後すぐに横を向けない、回転や方向転換がスムーズにできない という問題もありました。
しかし、 施術後は痛みが明らかに軽減 し、歩きやすくなったのは確かでした。
ただし、歩くスピードは 施術前と比べて2倍程度速くなった ものの、劇的な変化とまではいかず、正直 悔しい気持ち になりました。
それでも、 異常な反り腰(お尻が後ろに突き出たような姿勢)が改善し、姿勢が整った ことは大きな変化でした。
本人も「 痛みが減った」「痛む場所や範囲が変わった 」と実感しており、この時点で1回目の施術は できる限りのことはやった という判断で終了しました。
その後、違和感を取り除くために 2回目の施術 を行いました。
しかし、2回目の施術の際には、なぜか 前回よりも状態が悪化しているように感じました。
前回と同じくらいか、むしろ 少し悪くなっているのではないか というほどの状態でした。
2回目の施術の経緯
なぜ前回より状態が悪化していたのかを尋ねると、本人が理由を教えてくれました。
自転車同士の接触事故 に遭い、とっさに 足をついた際に股関節に衝撃を受けた とのことでした。その影響で、 歩くとズキズキとした痛み が出るようになったそうです。
しかし、このようなケースは 比較的簡単に対処できる ため、「ああ、そういうことか。特に問題はないな」と思い、施術をスタートしました。
まず、今回の 自転車事故によるダメージ に対する施術を行いました。
手術の影響とは別の問題で、 処置は簡単 だったため、 1~2分ほど施術すると、足を引きずることなく歩けるようになり、前回の施術後と同じくらいの状態に戻りました。
さらに、足の動きも改善し、 前に出しやすくなり、上げやすくなった ということだったので、「よかったな」と思いました。
それが落ち着いたところで、本題である 前回の施術の続きを行う ことにしました。
2回目の施術の手応え
体というのは不思議なもので、一度整えると、表面の歪みが取れ、 さらに深い層の問題が見えてくる ことがあります。
まるで 玉ねぎの皮を一枚ずつ剥いていくように、本当の原因が浮き彫りになってくるのです。
今回もその流れで、施術を進めながら「ここが悪いんだな」というポイントを見極め、重点的にアプローチしました。
その結果、 歩行速度が明らかに改善し、痛みも8~9割ほど軽減 しました。
本人も「多少の違和感は残るものの、痛みと違和感の間くらいまで減った」と話していました。
通常、手術をした場合、 股関節の内部に異常があれば痛みは治らない と考えられがちですが、実際には 痛みがここまで減る ということは、身体の状態は良くなっている証拠です。
さらに、 歩くスピードも上がり、腕を前後に振って歩けるようになった ことで、歩行の安定感も増しました。
姿勢も改善し、施術前に見られた 「でっちり(お尻が突き出した反り腰)」の状態がなくなり、むしろ普通の人よりも姿勢が良くなった ほどでした。
この結果には 大きな手応え を感じました。ここまで変化が出たのなら、 十分に良い状態 と言えるでしょう。
施術後のさらなる変化と今後の可能性
施術後、本人は 立ち上がってすぐに方向転換ができるように なり、スムーズに動けるようになりました。
施術が終わり、お会計の際に 自分のカバンの方へ「トトトッ」と小走りで向かった のですが、本人は無意識だったようで、「あ、いけない、いけない」と驚いていました。
ここまで 軽快に動けるようになった ということは、かなり改善できた証拠だと感じました。
ただ、最終的な目標として ジョギングができるようになりたい とのことだったので、そこまでの回復を目指したいと考えています。
しかし、 金属が入っている状態でどこまで回復できるのか、その限界がどこにあるのか は、実際に施術を続けてみないとわかりません。
もちろん さらに良くなるのは間違いない と思いますが、どこで頭打ちになるかは、こういったケースでは判断が難しいものです。
「金属が入っているから治らない」なんてことはない と思っています。実際に、 膝の骨が壊死していると診断された人でも回復したケース がありました。
つまり、 痛みや不快感、可動域の制限と、骨や金属の状態は必ずしも直結しない ということです。
だからこそ、「もう諦めるしかない」「この痛みと付き合うしかない」と思っている方にも、ぜひ試してほしいと思います。
どんな状態であっても、 痛みや不快感を改善する方法はある ので、一度施術を受けてみる価値はあるはずです。
余談施術者が「ビビる」ことの問題
施術中に本人と話していて驚いたことがあります。
この方は 鍼や整体にも通ったことがある そうですが、 どこへ行っても満足のいく施術が受けられなかった とのことでした。
特に印象的だったのは、施術者が 「触ってもらえない」ことが多い という話です。
例えば、動作を確認する際に「この動きはどうですか?」と聞いても、施術者が ビビっているのが伝わってくる そうです。
つまり、相手が怖がっていて、まともに施術できない状態になっているわけです。
「怪我をさせたらまずい」と気を遣いながら施術されるため、 しっかりとアプローチしてもらえない。
さらには、「手術をしているから理屈がわからない」と言われたこともあり、それが 大きな失望につながった とのことでした。
ここまでくると、「もう期待も希望もなくなってしまう」と話していましたが、それも当然のことだと思います。
プロとして、それはあり得ない話です。
私たち施術者は 医者と同じことをするわけではありません。
しかし、 身体の歪みを整え、痛みや不調を改善する という役割があります。
それなのに、 患者に触れることすら躊躇してしまうのでは話にならない でしょう。
「手の届かないところに手が届く」とまでは言いませんが、少なくとも 施術を通じて改善が見込める という自信がなければ、患者の信頼を得ることはできません。
ビビっている施術者が多いこと自体が、この業界の問題なのかもしれません。
本来の仕事を果たせない施術者と、施術の醍醐味
結局のところ、この仕事の醍醐味や面白さは、 「怪我もしていない、炎症もない、でも動きが悪い」「痛みや違和感がある」といった状態を改善できること にあると思います。
それなのに、施術者がビビって触れない、改善に導けないのでは 本来の仕事ができていない ことになります。
そうなると、 やっていることはリラクゼーションサロンと変わらない という話になってしまいますよね。
こういう施術者が多いのは残念ですが、逆に そのおかげで自分の技術が評価され、感謝されることもある ので、何とも言えないところです。
ただ、今回の方が 無事に良くなった のは本当に良かったと思います。
ここから先は、 僕の技術と患者さんの症状との真剣勝負。
どこまで回復させられるか、自分自身との勝負でもあります。
だからこそ、 「やってやるよ」という気持ちです。