こんにちはよろしくお願いします。
今回は、治療家が治せない、治らないという判断はどうやってしているのというお話です。
治療家が「治せない」「治らない」と判断する理由とは?
多くの治療家は、患者さんの症状を見た際に「治りにくい」「長く続く」「うまく付き合っていくしかない」といった説明をします。
実際に治療院と呼ばれる店に行き、こうした言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、5件、10件、多いと20件以上、あるいは10年以上にわたる複数の治療院でも改善しなかった方が、諦めずに良い治療院を探した結果、回復するケースが多くあります。これはなぜでしょうか?
最大の理由、「この症状は治らない」「うまく付き合っていくしかない」と言う治療家は、単純に治した経験がないからです。
本来は治せる症状も治したことがないから治ることを知らないに尽きます。
つまり、自分の技術では改善させることができないため、「治らないものだ」と思い込んでしまっているのです。
治す実力があれば、常に患者さんを回復させることができるため、「この症状なら大丈夫です」と自信を持って説明できます。
治療の成功率が高ければ、治るのは当たり前となり、逆に「治らない方が不思議」という感覚になるのです。
少なくとも私は治って当たり前です。
治せないのはおかしい
そもそも本来は整体やカイロプラクティックに来るような、病院に行っても治らなかった痛みやしびれ、肩こり、腰痛、頭痛、自律神経の不調といったものは普通に治せるはずです。
というか、それらを治せないとおかしいのです。
なぜなら、自律神経の乱れから起こる不調を改善しますと言って集客しているからです。
得意分野として集客しているのに、結果を出せないというのは明らかに矛盾しています。
これらの不調は、解剖学や生理学といった、身体の造りや、働きを見ても治るのは当然だからという理由もあります。
また、ほかの治療院で治らなかった症状だから、自分のところでも時間がかかるだろうと考える治療家もいます。
しかし、それは「自分の技術がほかの治療院と同じ程度だから時間がかかる」というだけの話であって、治療の腕が優れていれば早く治せのでこれも間違った認識です。
技術が未熟であれば治すことはできず、逆に技術が優れていれば早く治すことができる、ただそれだけの話です。
ではなぜ治せることを治療家が分からないかというと、それはいくつかの理由があります。
なぜ治療家は「治らない」と思い込むのか?
治療家が「治らない」と思い込む最大の理由は、そもそも治る技術を学んでいないことです。
整体師やセラピストになるために、多くの人は未経験の状態から整体院、マッサージ店、リラクゼーションサロン、ストレッチ専門店、リフレクソロジーなどの店舗で働き始めます。
その後、経験を積んで独立開業し、肩こり、首こり、腰痛、頭痛、むくみ、倦怠感など、自律神経の乱れからくると言われる不調をターゲットに集客します。
しかし、一般的なマッサージや整体法では、その場では楽になっても、効果は持続せず、根本的な改善には至りません。
その結果、「治った」という経験を持たないため、治らないものだと思い込んでしまうのです。
お金を得るための業務に必要な手技は学んでも、「症状を根本的に治す方法」は学んでいないため、既存の知識や技術だけでは限界が来てしまいます。
さらに、周囲の治療家やセラピストも同じように考えているため、「それが普通」になってしまっているのです。
なぜ治せないのか?(現実的な問題)
治療家が「治せる技術」を知らない、もしくは知ろうとしないのには、いくつかの現実的な理由があります。
① 教わる機会がない
現場や学校、セミナーでは、「正しい治療技術」そのものが伝えられていません。
学校教育や資格取得の段階では、「治す技術」ではなく、資格を取るための知識が中心です。
実際、鍼灸師、柔道整復師、あん摩指圧師などの国家資格を持つ人たちの間でも、よく言われるのが、
「学校は資格を取る勉強をする場所であって、治す技術を学ぶ所ではない」
「習ったことをやっても、治らない」
という話です。
結果として、治療家として独立しても、そもそも本当に治せる技術を知らないままになってしまいます。
② 治せない先輩が後輩を教える
技術を学ぶ場がなくても、現場で経験を積めば解決できるのではないか?
そう考えるかもしれませんが、実際には「治せない」ことが当たり前の環境になっています。
なぜなら、「治せない先輩」がそのまま後輩を指導するため、間違った常識がそのまま受け継がれるからです。
むしろ、治せる方法を知らないので、それ以外の選択肢が存在しません。
例えば、
- セラピスト → 揉みほぐし、オイルリンパマッサージ、リフレクソロジーが主体
- 整体師 → 揉みほぐしと、関節を鳴らすボキボキする骨格矯正が一般的
このように、業界の主流の手技だけでは、根本的な改善には至らないにもかかわらず、それが「正しい技術」として広まってしまっています。
③ 「治らないのが普通」という誤解が広まる
こうした状況では、治療家自身が「治すのは難しい」「うまく付き合うしかない」と考えるようになります。
実際に、業界では以下のようなフレーズがよく使われます。
- 「メンテナンスが大切」
- 「長年の歪みだから、すぐには治らない」
- 「一度良くなっても、また戻るから定期的に通うべき」
これは「治らないのが普通」だという前提が広まった結果にすぎません。
その結果、患者が「時間をかけるもの」と思い込まされてしまう。
-
- 「じっくり治す」「長年の歪みだから長期間必要」などと説明される
- 患者自身が「数回の施術で治る」という発想を持てない
という問題も出てきます。
本来であれば、適応範囲の不調は正しい技術を持っていれば、数回の施術で根本的に改善できます。
しかし、治せない技術しか持っていない治療家は、それが「普通」だと思い込んでしまう。
この結果、「治せる技術を学ぼう」と考えなくなり、業界全体が「治せないのが当たり前」のままになっているのです。
そしてそれが許される風潮があるのです。
そして結果治らないのは、自分たちの落ち度ではなく、患者自身の不調に対する向き合い方に論点のすり替えが行われるのです。
- セルフケアを怠っている
- 運動不足、食生活、睡眠不足など不摂生
- 職場や人間関係のストレス
- 患者自身の性格や考え方
しかしこれらは、もし仮体調を崩した病気の原因になる可能性はあったとしても、治らない直接の理由にはならないのです。
つまり、病気になる理由を、治らない理由にすり替わった説明をしているのです。
しかしこれらの説明も正確ではなく、治せない事の免罪符として使われているので、説明の意味をなしていません。
さらには「本当は治りたくないと思っているんでしょ?」というような一切根拠のない思い込みを、患者に伝える治療家も沢山います。
実際は治療家側の技術不足から生まれる妄想で、治せれば、このような言葉は出てこないのです。
業界の構造上、効果的な治療法が広まりにくい
- 正しい技術が学べる環境がない
→ 学校やセミナーでは「資格取得」や「基礎知識」しか学べず、本当に治せる技術を身につける機会がない。
→ 治療技術を学ぶ場がほぼなく、一部の治せるテクニック、もしくは治せる技術を持った治療家のもとで学ぶしかないが、その機会も限られている。
- 治せなくても治療院の経営が成り立つ
→「治す」のではなく「通わせる」ビジネスモデルが一般化している
→ 「メンテナンスが大事」と称し、長期間通わせることを前提とした治療が主流。
→ 治療院の収益構造が「治ること」よりも「継続通院」に依存している。
- 治療家が技術を向上させる必要性を感じない
→ 一度学んだ技術だけで経営できてしまうため、新たに学ぶ必要がないと考える治療家が多い。
治せる技術を持つために必要な要素
治せる技術を身につけるために重要なのは、治療家自身の向上心と現状に対する疑問や責任感・罪悪感です。
例えば、以下のような気持ちを持っている人が、技術を磨こうとします。
- 「本当にこの症状は治らないのか?」 と疑問を持つ
- 「治療に対する好奇心から生まれる向上心」を持つ
- 「自分の治療では改善しないが、それでいいのか?」 と悩む
- 「治せないのにお金をもらうのは申し訳ない…」 という責任感・罪悪感等を持つ
- 「このままではダメだ。自分の治療に自信を持ちたい。」 という向上心がある
こうした思いを持っている治療家は、「より効果のある治療法があるのではないか?」と考え、情報を探します。
そして、知っている単語や治療法を頼りに、セミナーや学習の機会を求めるようになります。
正しい技術にたどり着けるかどうかの分岐点
この時、本当に優れた治療法に出会えれば、結果の出せる治療家になれます。
しかし、もし適切な技術に巡り合えなければ、また二流の、効果の感じにくい治療法を学び続けることになります。
そのため、「治せるようになりたい」と思う気持ちを持っていても、正しい技術にたどり着けるかどうかは大きな分岐点になります。
私自身、整体の学校、カイロプラクティックの学校、オステオパシーの講座を合わせると4年間以上受けています。
マッサージ、トリガーポイント療法、筋膜リリース、PNFストレッチなど一般的なものは学んだり、臨床で使ってきました。
カイロプラクティックのディバーシファイドテクニックをやったり、最後の方はオステオパシーのカウンターストレイン、関節性靱帯ストレイン、スティルテクニックなどを主力としていました。
しかし足りないので今は気功などのエネルギーワークにたどり着いたわけですが。
初めから当たりを引けるわけではありません。
未熟なために見る目がないので、良さそうなものは片っ端から学ぶしかありませんでした。
そうして技術が上がることで、テクニックの価値の有無も理解できるようになっていきました。
やはりテクニックによって効果の有無は変わるので、これだけ覚えておけばよいというのはありません。
またテクニックによって弱点があるので、それを補うテクニックを扱える必要があるという事を理解して取り組んでいました。
最終的に技術が高まる人の特徴
本当に技術を高められる治療家は、
- 「これで本当にいいのか?」という疑問を持ち続ける
- 効果を実感できる治療法を求め、行動し続ける
- 単なる資格取得ではなく、本当に治せる技術を学ぼうとする
つまり、治療家としての「在り方」にこだわる人だけが、本物の技術を手に入れられるのです。